菅首相は「解散・総選挙」「任期満了総選挙」両睨み、権力維持が目的ー第6波大襲来に備え政権交代を(党役員人事追加)

菅義偉首相は「解散・総選挙」と「任期満了総選挙」の両睨みだ。最終的な判断は、自民党総裁選で総裁の座を維持できるかどうかによる。ただし、10月5日総選挙公示、17日投開票の日程は動かないと見られる。問題は自民党が大敗しても菅首相が連立政権で政権を維持できる限り、エアロゾル感染=空気感染を無視して「自宅療養=自宅放置=自宅遺棄」を行う似非コロナ対策の抜本転換は期待できず、季節要因からコロナによる感染が大流行する冬場の第6波で日本の国民と経済社会に巨大な危機が襲来することだ。やはり、真正野党が共闘体制を組み、政治権力を国民の手に取り戻す以外に道はない。

菅首相、小泉環境相を「幹事長」、河野行革兼ワクチン担当相を「政調会長」に起用打診か

朝日新聞出身のフリージャーナリスト・佐藤章氏によると、菅首相は保身のため小泉進次郎環境相を「幹事長」に異例の「抜擢」を行い、自民党総裁選で最大のライバルになる河野太郎行革兼ワクチン担当相を「政調会長」に就くよう打診するようだ。同じくライバルの石破茂元幹事長に対しても要職に就くよう打診する意向だという(https://www.youtube.com/watch?v=eTGYikcZzpQ。参考:https://mainichi.jp/articles/20210901/k00/00m/010/332000c)。

小泉環境相は菅首相の「幹事長」起用を受け入れるようだが、防衛大臣、安全保障法制担当大臣、衆議院総務委員長、自由民主党副幹事長などを歴任した中谷元衆院議員ら自民党内の大勢は小泉環境相の器量を考慮して失笑し、猛反対しているという。菅首相は「大博打」を打ちつつあるようだ。ただし、小泉環境相は関東学院大学経済学部経営学科を卒業後、コネでコロンビア大学大学院に入り、修士の学位を取得後、米国のディープステート(闇の帝国:軍産複合体と多国籍金融資本・企業)傘下の戦略国際問題研究所(Center for Strategic and International Studies, CSIS)非常勤研究員を務めた経歴の持ち主で、ディープステートの指示なら警戒を要する。

しかし、総裁選でライバルになる河野行革兼ワクチン担当相や石破元幹事長が菅首相の要請を受け入れるかは定かではない。両者が受け入れれば自民党総裁選は菅首相(総裁)と岸田文雄前政調会長との一騎打ちになる。両者が辞退すれば、菅首相は9月8日に閣議を開いて臨時国会召集を閣議決定、13日に臨時国会を召集して冒頭解散、10月5日に総選挙を公示し、1217日に総選挙の投開票を行うことになる。菅首相は9月6日に自民党役員人事と内閣改造を行うが、それまでに政界大波乱が開始される可能性が濃厚だ。

なお、菅首相の要職就任への要請には最初から応ぜず、総裁選出馬を表明している岸田文雄前政調会長も「政権構想」を明らかにして選挙運動を活発化しており、菅首相の脅威になりつつある。首相が総裁選での敗北を感じるようになれば、これまた解散・総選挙になる。

岸田前政調会長は善戦しているようだ。ただし、「野戦病院」の整備で「医療難民ゼロ」を実現させることや、感染症対策の司令塔として「健康危機管理庁」を創設するなどの「新型コロナ感染症対策」は、落第だ。理由は、①徹底した検査と補償を大前提とした隔離・保護・治療」②コロナ変異株のゲノム解析能力の飛躍的な向上③医療体制の抜本的再編④治療薬と安全かつ変異株に強い有効なワクチン開発ーを中心としたコロナ対策の抜本的転換という肝心要の根本対策がないからだ。前の政調会長を務めたが、最新の科学的知見を踏まえた正しい政策の「立案能力」が疑われる。特に、「健康危機管理庁」は医系技官による「感染症利権ムラ」を「感染症利権クニ」に肥大化させることになる。医系技官の入れ知恵ではないか。

9月2日木曜日のコロナ感染状況(追記予定)

複数のメディアが報道したところによると、9月2日木曜日の東京都の新型コロナの新規感染者は前週木曜日より1605人少ない3099人だった。死亡者は10人。東京都基準の重症者は前日より5人増えて291人になった。7日移動平均では3140.0人で前週比も8月に入って低下しており、2日では72.1%。この水準が4週間続くと、863人になる。菅首相の自民党総裁戦略または解散・総選挙戦略にとっては有利になる。7月の4連休や8月の盆休みなどで人流が増えたことの反動との見方もあるが、夏場が過ぎ去りつつあることから、やはり季節要因で新規感染者がピークアウトしつつあることを伺わせる。

全国では午後18時30分23時59分時点で、新規感染者が1万8229人、死亡者は65人、重症者は2158人。

東京都のコロナ感染者数の推移
東京都のコロナ感染者数の推移

 

東京都モニタリング会議が9月2日公表した都内感染者の発生源の割合(https://www.bousai.metro.tokyo.lg.jp/_res/projects/default_project/_page_/001/015/408/61kai/20210902_04.pdf)は「同居(家庭)」がさらに高まった。感染症対策の基本である「徹底検査と十分な補償を大前提とした隔離・保護・治療」を無視した「自宅療養=自宅遺棄」策とエアロゾル感染=空気感染のためだと推察される。

菅首相の最終目的は「権力維持」ー主権者国民は総選挙で正しい審判を

毎日新聞社が8月31日午後22時26分、「首相、9月中旬解散意向 党役員人事・内閣改造後」と題する記事を同社のWebサイトで公開した(https://mainichi.jp/articles/20210831/k00/00m/010/347000c)。

菅義偉首相は自民党役員人事と内閣改造を来週行い、9月中旬に衆院解散に踏み切る意向だ。複数の政権幹部が31日、明らかにした。自民党総裁選(9月17日告示、29日投開票)は衆院選後に先送りする。首相は衆院選の日程を10月5日公示、17日投開票とする案を検討している。

各メディアとも同様の記事を報道した。これに対して、菅首相は9月1日午前、報道陣の質問に答え、解散・総選挙に踏み切るとの報道を否定した(https://times.abema.tv/news-article/8672491)。

菅総理は1日午前、 自民党総裁選を先送りし、9月中旬にも解散に踏み切ることを検討していると報じられていることについて、「解散総選挙については皆さんから度々ご質問があったが、最優先は新型コロナウイルス対策だと申し上げてきた。今回も全く同じで、今のような厳しい状況では解散はできない」と述べた。また、自民総裁選については、先送りするつもりはないとした。(ABEMA NEWS)

この発言に対して、朝日デジタルは9月1日 22時11分に「菅首相の解散権は封じられた」と題する解説記事を公開した(https://digital.asahi.com/articles/ASP916T1SP91UTFK00K.html?iref=comtop_7_02)。

菅義偉首相が1日、自民党総裁選(17日告示、29日投開票)前の衆院解散見送りを明言した。首相は前夜に「9月解散」も選択肢とする考えを二階俊博幹事長に伝えたばかりだが、党内から批判が噴き出し、事実上、解散権を封じられた。首相の求心力低下は必至で、総裁選前に「菅離れ」が進みかねない状況だ。(中略)「大権」ともいわれる解散カードを手放したうえ、党内の反発も招いた首相。その足元はこれまでになく揺らぎ始めている。(中略)

8月31日にあった細田派の幹部会合では、今後、派内の中堅・若手らの意見を聞くことなどが確認されただけで、総裁選への対応は決まらなかった。同派幹部は「もう派閥で右向け右の時代じゃない」と語り、特定の候補を支持することも、自主投票の方針も決めない「事実上の自主投票」で乗り切る考えを示唆した。昨秋の総裁選で首相を支持した麻生、竹下両派も今回の対応は定まっておらず、「様子見」の状態だ。二階派を率いる二階氏は、いまも首相の再選を支持しているとされるが、首相が二階氏を「切った」ことで派内には首相を支持することへの反発もくすぶる。安倍、麻生両氏は最近、表だって首相を支援する動きを見せていない。

無派閥出身で、党内基盤の弱い首相にとって、主要派閥の支持が得られなければ再選への見通しは悪くなる一方だ。ある自民党関係者は、リクルート事件後の政治改革で主要派閥の反発にあい、総裁選の再選が困難となって退陣に追い込まれた海部俊樹元首相を引き合いにこう指摘した。「あの時に似ている。党内がひいたら、やめるしかなくなる」。

しかし、「今のような厳しい状況では解散はできない」という発言には含みがある。季節要因から東京都を中心に新規感染者はピークアウトしてきている。第5波がある程度落ち着いてくれば、躊躇なく解散・総選挙に踏み切ることが出来る。それに、「首相は解散(の時期)についてはウソをついても良い」という「格言」らしきものが横行している。事態は時々刻々と変化しているが、「権力掌握」にかけては中一流の菅首相としてはなお、「解散・総選挙」と「任期満了総選挙」の両睨みだ。朝日新聞出身でフリージャーナリストの佐藤章氏の発言を参考にしました(https://www.youtube.com/watch?v=UdTRtFjpgeU&t=22s)。

【追記9月2日午後14時14分】仮に、自民党総裁選が開かれ、菅首相(総裁)が敗退した場合か、もしくは菅首相が総裁選での敗退を覚悟しても衆院解散・総選挙に踏み切れずに首相(総裁)辞任を余儀なくされる場合、首班氏名のための臨時国会が開かれることになる。新首相が「任期満了総選挙」を拒否し、解散・総選挙の道を選ぶことも考慮に入れておく必要がある。任期満了総選挙の日程は、公職選挙法第31条1項「衆議院議員の任期満了に因る総選挙は、議員の任期が終る日の前三十日以内に行う」、第2項「前項の規定により総選挙を行うべき期間が国会開会中又は国会閉会の日から二十三日以内にかかる場合においては、その総選挙は、国会閉会の日から二十四日以後三十日以内に行う」に従うことになる。

新首相が解散・総選挙に踏み切る場合は、憲法第54条の規定(「衆議院が解散されたときは、解散の日から四十日以内に、衆議院議員の総選挙を行ひ、その選挙の日から三十日以内に、国会を召集しなければならない」)に従うことになり、最も遅くて衆院議員の任期満了日の10月21日、総選挙の日取りは解散日から40日以内の11月28日になる(参考:https://www.tokyo-np.co.jp/article_photo/list?article_id=128300&pid=447112。なお、首相は解散・総選挙については「ウソ」を言ってもよい慣例になっている)。ただし、その時期には季節要因から、コロナ第6波の襲来が予想される。

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菅首相の決断は、9月17日告示、29日投開票予定の自民党総裁選の動向だ。河野太郎行革兼ワクチン担当相の出馬の動きを感じることや出馬を表明している岸田文雄前会長の勢いに危機感を感じるなどして、「総裁」の座を維持できなくなると判断すれば、躊躇なく自民党総裁選を延期して解散・総選挙に踏み切る。そうでなければ、自民党総裁選挙を行って「総裁」の座を確保した後、任期満了総選挙に踏み切るだろう。なお、どちらにしても、10月5日総選挙公示、17日投開票の日程が基本だとは動かないと見られる。いずれにしても、国民不在・国民無視の自民党内の権力争いだ。

【追記:9月2日午後17時】文春オンライン、ヤフーニュース(https://bunshun.jp/articles/-/48318https://news.yahoo.co.jp/articles/d5aaba7a58ae547e8f7e377f778f5525cbfa1692)で河野行革兼ワクチン担当相が8月24日に行われた資源エネルギー庁幹部とのオンライン会議の場で、幹部職員にパワハラを行った疑惑が報道された。公安畑の杉田和博官房副長官兼内閣人事局長ら菅首相側が暗躍した可能性がある。菅首相は2日、自民党の二階俊博幹事長と党本部で会い、9月の党総裁選に出馬すると伝えた模様だ(https://www.tokyo-np.co.jp/article/128484)。総裁選での対抗馬を失脚させる戦術を開始したことが考えられる。

ただし、「再生可能エネルギー」の割合を、36〜38%以上にする(河野大臣)か36〜38%程度にする(資源エネルギー庁幹部職員)かが取りの中心内容だから、「原子力ムラ」に加担しない限り、軍配は河野大臣に上がる。前もって喧伝されていた「パワハラ」と言えるようなものではない。菅首相の戦術通りにコトが運ぶかは不明だ。

さて、解散・総選挙の場合は、自民党が大敗北することは確実だ。自公両党が獲得した議席を合わせても過半数に届かない可能性も有り、「日本維新の会」が連立に加わることになる。それでも、過半数に届かない場合は、国民民主党(玉木雄一郎代表)がキャスティング・ボートを握ることになる。菅首相が総裁選で敗退しても自民党は相当の議席を落とすだろう。

今度の総選挙で最も重要なことだは、「コロナ対策」だ。安倍晋三政権(当時)、菅政権が取ってきたコロナ対策は、感染症対策の根本原則である「徹底検査と補償付きの隔離・保護・治療」とは真逆であり、「似非コロナ対策」と言わざるを得ない。特に、コロナ感染の主流がエアロゾル感染=空気感染であることを無視して、「自宅療養」という名の「自宅放置=自宅遺棄」策を採っている。事実上、感染拡大策を採用しているとしか言いようがない。

このことについて、大手メディアは「自宅療養」の悲惨さは伝えるものの、エアロゾル感染=空気感染が新型コロナ感染の主流経路になっていることが世界の常識になっている中での「自宅療養」が、感染症対策の基本原則とは真逆であることを指摘しない。朝日新聞出身のフリージャーナリストである佐藤章氏は、官房機密費をめぐって菅首相と加藤勝信官房長官との仲が冷え込んでいると伝えているが、菅首相が実質的に官房機密費を使ってマスコミ工作、官僚工作、政界工作を行っているのではないか。大手マスコミが政府=菅政権の「自宅放置=自宅遺棄」策を批判しないことも如何と思われる。菅首相は、官房機密費の支出明細は、内閣官房長官時代も含めて記録していると言われる。官房機密費で「自爆テロ」を行うことも考えられないことはない(参考:https://www.youtube.com/watch?v=UdTRtFjpgeU)。

真正野党側はこの「新型コロナ感染拡大策」を抜本転換させるため、日本国憲法第53条に基づいて臨時国会の召集を求めたのだが、菅内閣・自公連立与党はこの要求を拒否した。国民の正命と健康、生業を無視しているのである。安倍政権時代を上回る憲法違反であり、「最優先は新型コロナウイルス対策だと申し上げてきた」というのは真っ赤な嘘だ。この状況でもしも、総選挙の結果、「菅連立政権」が維持されるならば、新型コロナの第5波はピークアウトしてきているものの、新規感染者数が十分に減少し切らない、従って医療崩壊状況も改善できないうちに、季節要因から新型コロナ感染が大流行する第6波が日本を大直撃することになる。

加えて、新たな変異株も見つかっている。NHKが2日午前4時2分、WHOが「VOI=注目すべき変異株」に位置づけているミュー株が既に日本の市中で感染を始めていることをWebサイトで報道した(https://www3.nhk.or.jp/news/html/20210902/k10013238331000.html)。

ことし7月にかけて空港の検疫所で新型コロナウイルスの検査を受けて陽性と確認された2人が、WHO=世界保健機関が「注目すべき変異株」に指定した変異ウイルスの「ミュー株」に感染していたことが分かりました。国内で確認されたのは初めてです。変異ウイルスの「ミュー株」は南米やヨーロッパで報告され、WHOは先月30日、ワクチンの効果や感染力に影響を与える可能性などがある「VOI=注目すべき変異株」に位置づけました。

厚生労働省(具体的には国立感染研)が、検疫の検査で採取された検体について遺伝子解析の結果をさかのぼって調べたところ、▽ことし6月26日にUAE=アラブ首長国連邦から成田空港に到着した40代の女性と▽7月5日にイギリスから羽田空港に到着した50代の女性の2人がミュー株に感染していたことが分かったということです(中略)。

WHOによりますと、ミュー株はワクチンの効果に影響を与える可能性があると指摘されていて、ことし1月にコロンビアで初めて確認されて以降、30か国以上で感染が報告されています。

「検疫の検査で採取された検体について遺伝子解析の結果をさかのぼって調べたところ」というくだりが曖昧だ。変異株の感染力の強さとワクチン耐性力の強さは、英国で発見され日本の第4波で猛威をふるったアルファ株で示されたとおりだ。新型コロナの遺伝子の構造と機能(ゲノム=染色体に含まれるすべての遺伝子と遺伝情報)はリアルタイムで解析する能力が必要だ。国立感染研のゲノム解析能力が著しく低いか、東京オリンピック/パラリンピック強行開催のために隠していた疑いを考える必要がある。ヒト・ゲノム解析センターを持つ東大医科学研究所の能力を全面的に生かすべきだ。なお、厚労省や大会組織委が、東京オリンピック開催の前にペルーから来日した女性の大会関係者がペルーなど南米で猛威をふるったラムダ株に感染していたことを隠していた前例がある。

さらに、ロイター通信は、南アフリカで新たな変異株「C.1.2」が発見されたことを伝えている(https://jp.reuters.com/article/health-coronavirus-safrica-idJPKBN2FW00P)。

南アフリカで新型コロナウイルスの新たな変異株が検出され、科学者らが研究を進めている。感染力が強いかどうかやワクチン接種や過去の感染によって得た免疫が効かない可能性などは、まだ分かっていない。査読(ピアレビュー)前の研究によると、この新たな変異株「C.1.2」は5月に初めて見つかり、現在では同国内のほとんどの州やアフリカの他の7カ国、欧州、アジア、オセアニアに広がっている。

この変異株には、他の変異株に見られる感染力の高まりや、中和抗体に対する感受性の低下に関連する変異パターンが多く含まれている。だが、これらが変異ウイルスの動向にどう影響するかは、まだ分かっておらず、抗体によってどの程度中和されるかを調べるために研究室での実験が進められている。感染症の専門家で、C.1.2型に関する研究の執筆者の1人であるリチャード・レッセルズ氏は、新たな変異株の出現は「パンデミック(世界的大流行)の終わりがまだ見えず、ウイルスが感染力を高める方法を依然として模索していることを示している」と述べた。(中略)

ただ、レッセルズ氏はデルタ型よりも免疫回避力が高い可能性があるとし、研究結果についてWHOに報告したことを明らかにした。南アの保健省報道官は、この研究に関するコメントを控えた。

日本での感染者が既に確認されているミュー株や南アフリカのC.1.2株にはやはり重大な警戒が必要だろう。ミュー株やC.1.2株が仮に感染力が強く、ワクチン耐性力が強くて第6波の感染主流になれば極めて重大なことになる。「徹底した検査と補償を大前提とした隔離・保護・治療」、「コロナ変異株のゲノム解析能力の飛躍的な向上」、「医療体制の抜本的再編」は不可欠であり、冬までに行わなければならない。

加えて、変異株といえども新型コロナウイルスの亜種だ。変異株を含む新型コロナウイルスへの感染を抑えるワクチンの開発が急務だ。癌の遺伝子治療を世界に先駆けて開発した東大・シカゴ大学の中村祐輔名誉教授が提唱した「ペプチド型ワクチン」はその有力候補と見られている。ペプチドは、タンパク質とアミノ酸の中間にあるもので、コロナウイルスのスパイクタンパク質の基になるペプチドを作成してヒトの体の中でスパイクタンパク質を合成し、ヒトの持つ免疫力でその抗体を作らせるというもの。

遺伝子治療の世界的権威・中村祐輔博士
遺伝子治療の世界的権威・中村祐輔博士

 

変異株用のペプチドを作成することは、mRNA型ワクチン開発の要になる「設計図」を作成するよりも簡単だという。mRNA型ワクチンでは「設計図」を筋肉注射し、スパイクタンパク質を合成させて、ヒトの免疫力でコロナウイルスに対する抗体を作らせるが、このところ抗体存在期間が短いという欠点が明らかになってきている。そこで、新たな変異株を早期に発見し、その感染力と免疫耐性力(毒性力)を解析して危険な変異株であることが分かれば、すぐに変異株用のペプチド型ワクチンを作成すれば良い。「設計図」を注射し、体内でスパイクタンパク質を合成させるmRNA型ワクチンと異なり、変異株対策により強力な効果を発揮すると言われている。

さらに言えば、例えばヒトのゲノムは人種によって限界的な部分で異なるが、ヒトであることには変わりはない。ヒトゲノムは人種によっても不変な部分があるとということだ。新型コロナウイルスも同じで、変異株は生じるが共通のゲノム(幹株に対応したゲノム)が存在する。中村博士の提唱するペプチド型ワクチンは、幹株に対応したペプチドを作成することで、変異株に対応できる抗体を産生することが可能だとも言われている。mRNA型ワクチンよりも変異株に強いワクチンを開発することができる可能性がある。ペプチド型ワクチンによって賛成される抗体の有効期間は2年間だと言う(参考:https://www.youtube.com/watch?v=DFvSd46bIOA))。

なお、ファイザー社がmRNA型ワクチンの開発に成功したのは、中村医学博士(東大・シカゴ大学名誉教授)が開発・提唱したがん治療への遺伝子研究の応用を行っていたドイツのバイオ・ベンチャー企業のビオンテックがの協力を得たからに過ぎない。mRNA型ワクチンはいわば、中村博士の研究成果の独自応用だ(悪く言えば、亜流と言える)。本命は中村博士の提唱されたペプチド型ワクチンではないか。

「ペプチド型ワクチン」については、詳細な研究を行い、開発支援と臨床試験(治験)を行う価値があると言われている。しかし、「有力な国産ワクチン」になる可能性のあるところだったが、日本では安倍政権がその有効性を理解できず、開発支援を拒否したという。直接的には、医薬品の研究開発を支援する国立研究開発法人・日本医療開発研究所(AMED、https://www.amed.go.jp/)が理由も不明確なまま、支援を拒否したという。AMEDは「感染症利権ムラ」の傘下にあると言われている。ただし、別の国(外国)の注目するところになり、開発が進められているという。恥ずかしい限りだ(参考:https://www.youtube.com/watch?v=DFvSd46bIOA)。

現在の似非コロナ対策は根本から間違っている。医系技官による「感染症利権ムラ」を解体したうえで、①徹底した検査と補償を大前提とした隔離・保護・治療」②コロナ変異株のゲノム解析能力の飛躍的な向上③医療体制の抜本的再編④治療薬と安全かつ変異株に強い有効なワクチン開発ーを中心としたコロナ対策の抜本的転換を行うことが必要不可欠だ。コロナ対策の抜本的転換を行うとともに、第6波の大直撃を最小限に抑えるための最良の対策は、政治権力を国民の手に取り戻す政権交代以外にない。枝野幸男代表次第だが、原則論を言えば真正野党側の共闘体制の構築が急務ではある。いずれにせよ、次期総選挙は日本の戦後史上、最も重要な総選挙になる。日本国憲法には、①基本的人権の尊重②国民主権③平和主義の大原則が謳われているが、真の意味では生かされていない。主権者国民には秋の総選挙での正しい判断を期待してやまない。




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