生活と民主・正統派、連携を―山本参院議員叩きと昭和天皇の「憲法違反問題」(改題)

10月29日に行われた生活の党の「鈴木克昌君(同党幹事長)を励ます会」に、民主党の大畠章宏幹事長が出席し、「(安倍政権は)巨大な与党になったが、鈴木さんと力を合わせて、国民の暮らしを大事にした政治をこれからも追求していきたい」と述べ、生活の党にエールを送ったが、民主正統派と生活の党の連携が水面下で進んでいるようだ。なお、「励ます会」には自民党の衆参議員も参加した。

自民党と宗教精神を忘れて堕落した公明党の自公巨大連立政権が成立しているが、これは支持者が少なくても巨大政権が出来上がる小選挙区制の特性のゆえだ。2012年末の総選挙では国民が政治(具体的には、民主党連合赤軍派だが、多くの国民は「連合赤軍派」が日本の政治を歪めた張本人であることを知らない)に絶望し、投票を棄権する国民が多かった。だから、「カネ」でつながった(カネの切れ目が縁の切れ目になる)組織を持つ自公が「大勝」した。

これについては、生活の党の小沢一郎代表が次のように述べている。

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しかしながら、選挙の結果をよく見てみると、衆議院選挙でも自民党は4年前の総選挙に比較して、票数が、国民の支持が増えているわけではありません。参議院の選挙も同様です。衆議院選挙後に行われた首長選挙。一対一、自公とその他野党という対決では、ほとんど国民は自公ではない、我々が推している候補を、首長として選んでいます。

それらを勘案すると、国民はやはり、自民党、自公政権を積極的に望んでいるわけではなくて、これに対抗出来る、あるいはいつでも取って代われる健全な野党を望んでいて、政治そのものも、政権交代の行われうる状況を必要としています。

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実際、 任期満了に伴う川崎市の市長選挙は10月27日に投票が行われ、無所属の新人で元神奈川県議会議員の福田紀彦氏が、自民党、民主党、公明党が推薦する新人らを抑えて、僅差ながら初めての当選を果たした。こうした、地方自治体首長選で自公推薦候補が敗れる事態が増え始めている。国民は決して、安倍晋三政権の推進する対米隷属で、弱肉強食絶賛、カネだけ、今だけ、自分だけの新自由主義(悪魔の思想)政策、原発墨守政策に満足しているわけではない。

より一歩進めばパラドックス的だが、天命は日本の国民をして自民党(自公)の悪徳政治(官僚制新自由主義)を骨身に染みて痛感させ、決別させるために自公に「巨大与党」たる議席を与えたものと推察される。しかし、平家物語の説くように、弱肉強食絶賛のおごれる者は必ず滅ぶ。「祇園精舎の鐘の声、諸行無常の響きあり。沙羅双樹の花の色、盛者必衰の理を表す。おごれる人も久しからず、ただ春の夜の夢のごとし。たけき者もついには滅びぬ」である。

それで、巨大与党が巨大恐竜化して滅びる過程だが、これは平野貞夫氏が「小沢一郎謀殺事件」で説いているように、「時間はかかるかも知れないが、自民党のリベラル派とまともな野党のリベラル派がどう提携していくのかということが、これからのひとつの鍵になる」。その動きが水面下で進んでいると思われる。まずは、民主党で国民生活最重視派の正統派が対米隷属・新自由主義の連合赤軍派を追い出すか、または、分党するか解党するかのいずれかを選択しなければならない。

さらに、10月18日に平野氏にお会いさせていただいたが、「従来のような(野党結集の)やり方ではダメだ」と語っておられた。()は、サイト管理者の補足であるが、そういう意味だと解釈している。

ただし、小沢代表持論の「政権交代可能な二大政党制実現」の前提条件として、「米国からの独立革命」が必要である。こうした動きを阻止するため、「日本版国家安全保障会議(NSC)創設案」、「秘密保護法案」の制定が図られようとしていると考えた方が良い。

なお、脱原発を唱える山本太郎参院議員に対するバッシングが絶えないが、日本の実質的な憲法になっている日米地位協定・日米安保条約締結の影の主役になった人物は、昭和天皇その人である。「天皇の顧問、寺崎英成氏(元外交官)が、沖縄の将来に関する天皇の考えを私(ダグラス・マッカーサー占領軍総司令部=GHQ=政治顧問シーボルト)に伝える目的で、時日をあらかじめ伝える目的で約束してきたうえで訪ねてきた。寺崎氏は、米国が沖縄その他の琉球諸島の軍事占領を継続するよう天皇が希望している、と言明した」ことが、1947年09月20日付のマッカーサー元帥のための覚書=シーボルト書簡に記されている(孫崎享著「戦後史の正体」)。

米ソ冷戦時代ではあるが、昭和天皇(当時の今上天皇)自身が1947年5月3日施行の日本国憲法第三条(国事行為)、第九十九条(最高法規、天皇の憲法尊守義務)に違反した行為を行っているのである。なお、自民党改憲草案は、天皇を国家元首と定め、憲法の尊重義務はまず国民で、次に国会議員、国務大臣、裁判官その他公務員、となっており、天皇に尊重義務を規定していない。この意味で、立憲君主制と専制君主制をちゃんぽんにした内容になっている恐るべき改憲草案である。

マスコミが、山本太郎参院議員をバッシングするなら、形式的にはそれ以上に昭和天皇をバッシングしなければなるまい。山本議員が今上天皇に直訴したのは、マスコミが福島第一原発の本当の被害を伝えず、放射性廃棄物による汚染がどんどん拡大している現状を憂えてのやむにやまれぬ心情からである。その動機は貴重である。あの対米隷属路線を再構築した小泉純一郎元首相でさえ、「脱原発」を口にせざるを得ない状況ではないか。たただし、小泉元首相の言動は、脱原発勢力の分断作戦と思われ、鵜呑みにすることは危険である。

この主の史実を記した文献も「秘密保護法」の対象になるものと思われる。

山本問題を正しく理解し、解決するためには、「天皇」とは何かについて、世界史・日本史を徹底的に分析したうえで理解しておくことが前提になる。それは必然的に、宗教・思想の問題に入ることになる。また、真の日本建設のためにそういう時代が到来していると思われる。

 

 

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