東大阿呆学部のOBで占められている財務省が7月24日に発表した2014年1月から6月(上半期)の貿易統計速報値によると、貿易収支(通関ペース)は7兆5984億円の大幅赤字で、過去最悪の値を更新した。6月の統計も8222億円の赤字だった。「輸出大企業に減税し、輸出拡大をデフレ解消のカンフル剤に」というアベクロノミクス(アベノミクス)は、ここでも破綻が如実になった。
財務省が報道各社向けに発表したPDFを下記に貼り付ける。クリックすると、拡大します。
今年上半期の貿易赤字(通関ベース)は前年比57.9%も増加し、過去最大になった。第一の要因は、悪戯な円安政策で円建て輸入価格が上昇したことである。第二は、中国を中心にアジアからの電子機器の輸入数量が増えたことである。要するに、輸入が急増しているスマートフォンはAndroid端末もiPhoneも所詮、中国製や韓国製なのである。これは、日本の電子産業が、その中枢である基本ソフト(OS)にマイクロソフトのWindowsばかりを採用、UNIX系のLinuxやFreeBSDの解析にまともに取り組んでこなかった咎めである。
中高年の主婦ですら、Android端末を操作しており、WindowsPhoneなど出る幕はない。日本の電子産業は壊滅した。輸出産業は最早、「構造不況産業」である。第三は、米国のイラク、アフガン政策の失敗で原油価格が高騰してきていることである。イラクのバグダッドが、アルカイダとの手に落ちたらどうなるか。第三次石油危機が勃発する。バラク・オバマ大統領も表面的には撤退政策を棚上げし、第二次イラク戦争をせざるを得ないだろう。まあ、それが年間60兆円規模の需要=要するに戦争=がなければもたない軍産複合体の狙いではある。そして、オバマ大統領は、自衛隊員に血を流してくれと要請するだろう。それは、ゆくゆくは徴兵制という形で日本国民に血を流してくれ、という命令に「深化」するようになる。
ボタンの掛け違えは直接的には、米国が1990年前後に集結した冷戦後の処理を誤ったことにある。米国は、国連の機能の強化に努力し、「世界の警察の役割」を国連に譲渡すべきであったが、新自由主義=血税掠奪主義に犯され、自国および世界の進路を誤った。かつてない困難な時代に直面している。