合流新党は日本一新を目指す「革新政党」になれー連合は御用組合と労働組合に分裂すべき

昨日9月3日夕刻、総勢150人規模の合流新党の発足が正式に決まった。幸いだったのは、神津里季生連合会長の介入にもかかわらず、連合傘下の産別労組出身議員9人が合流新党への参加を拒否したことだ。これで、これまで民主党を破壊し、真の日本一新のための「革新政党」の結成を妨害し続けてきた旧同盟系の産業別労働組合が主力になっている連合の合流新党への力が削がれることになる。連合は御用組合系の産別労組と日本経団連に対抗する真の労働組合に分裂すべきだ。合流新党はさらに理念と政策を深め、日本共産党、社民党はもちろん、れいわ新選組と真の「野党共闘体制」を構築すべきだ。枝野代表が、立憲民主主義の理念を自らに確立することが最大の課題である。

◎追記:9月4日の新型コロナウイルス感染者は、東京で午後15時点で136人。重症者は東京都基準で前日比1人増え28人。20代〜30代の若者を除く感染者の割合は43.3%。全国では午後18時30分の段階で579人が感染、8人が亡くなられた。また、2日には速報値で1日に1万4035件のPCR検査が行われたため、推測瞬間陽性率は4.1%。PCR検査はなお少ないが、新規感染者数が少なくなってきた段階でPCR検査、抗体検査を大規模に増やすべきだ。世田谷区などいくつかの基礎自治体に加え、東京都もついにPCR検査の拡充に乗り出した。次のサイトをご覧下さい。https://digital.asahi.com/articles/ASN936T5YN93UTIL022.html?iref=pc_ss_date

安倍晋三首相、麻生太郎副総理兼財務相、菅義偉内閣官房長官、公訴時効になったが都市再生機構(UR)からの贈賄疑惑のあるR甘利明衆院議員が6月19日、虎ノ門ホテルで会食・階段した(植草一秀氏のメールマガジン第2718号「1025総選挙策謀に打ち克つ方策」)。いわゆる3A+1S会合である。安倍首相の辞任記者会見によると、この時期に安倍首相の持病であり難病指定されている潰瘍性大腸炎の再発が分かっていた。この会談で、安倍首相の辞任が避けられなくなった場合のシナリオが決定されたと思われる。

安倍首相と自民党の二階俊博幹事長の関係は悪かったが、6月19日の会合以後、二階幹事長と菅官房長官の会談が頻繁に持たれるようになり、互いに持ち上げるようになった。3A+1S+1Nで石破茂元幹事長と自民党の本流である宏池会を継承する岸田派会長の岸田文雄政調会長外しのための総裁選シナリオが決められたのだろう。安倍首相は本来なら、首相辞任記者会見後、政局や政策についてはコロナ禍対策以外は黙っているべきだ。しかし、いやに元気で「敵基地攻撃論」を含む新安全保障政策について言及しすぎる。

大手メディアなどの報道によると、9月末までに敵基地攻撃能力保有(具体的には、射程距離の長い精密誘導ミサイルの配備)の是非を含めて結論を得、年末恒例の「防衛計画の大綱(防衛大綱)」と「中期防衛力整備リスト(中期防)」、つまり、「新国家安全保障戦略」を決定する運びになっている。安倍首相は「最後の日本破壊の仕事」として、日本国憲法違反の敵基地攻撃論を柱にした「新国家安全保障戦略」を閣議決定する道筋をつけたいのだろう。

基本的に、自公勢力としては新総裁選出後、直ちに首班指名のための臨時国会を開き、衆院解散を行って10月25日の日曜日に総選挙を実施したいところだろう。ただし、このシナリオが狂う場合もあり得る。第一は、新型コロナ感染拡大が加速してきた場合だ。その徴候は出てきている。本来なら、東大選管科学・技術センターに所属し、遺伝子工学・抗体検査に詳しい児玉龍彦東大名誉教授が指摘するように、感染拡大の勢いが弱まってきた時こそ、感染震源地(エピセンター)地域、エピセンター周辺地域、非エピセンター地域に分けて、大規模なPCR検査と抗体検査を実施し、地域に応じた感染者対策を行うべきところだ。

児玉教授の抗体検査によると、実際の感染者は公表値の10倍は存在するとのことだ。このうち、中和抗体が産生され、PCR検査でも陰性になる国民・住民は問題がない。しかし、PCR検査人数はなお人口比で抑制されているうえ、会社や学校の健康診断時に抗体検査を行うといったこともなされていないため、潜在的な感染者が顕在化してきて、総選挙どころではなくなる可能性も否定できない。

シナリオが狂う第二のケースは、御用組合の連合に左右されない合流新党が力をつけ、理念(自立と共生)と政策を深めて、日本共産党、社民党とはもたろん、れいわ新選組と「野党共闘」を結成するようになった場合である。この場合は、安倍政治が新自由主義に基づく不当な経済政策を継続してきたことと、権力を私物化してきたため、日本国民の生存権を脅かし、経済社会を崩壊させきたことが徹底的に追求されるから、総選挙で自滅する可能性がある。これについては、すぐ詳述する。

これら二つの理由から、3日のフジテレビの報道番組で解散・総選挙に打って出るのかとの質問に対して、菅官房長官が「状況次第だ」と答えたことの理由だろう。解散・総選挙に関する総理・総裁の言葉は最も信用してはならないが、新総裁に選出されることがほぼ確定している菅官房長官としても、上述の理由で確信が持てないところがあることも事実だろう。

なお、昨日3日の投稿記事でも述べたが、菅官房長官は少人数のグループしか抱えていないから、肥大化した自民党を完全に統率できるかどうかは未知数だ。現在の菅官房長官が力を得ているのは、内閣官房長官という地位や官邸に内閣人事局を設置したことを利用して、自分に従う自民党議員を要職に付けたり、その逆に安倍政権に反対する自民党政治家を引きずり倒してきたことや官僚を失脚させてきた、いわば人事掌握権にある。

しかし、国民の全有権者の17%の支持しかなく、公明党の協力でかろうじて20%を超える有権者しかしていないのに、投票率が非常に低いため、自民党が大所帯になっているという現状がある。膨れ上がった自民党には大臣候補者が60人はいる。自民党内では弱小基盤しかない菅氏に、これらの入閣待望組や副大臣、政務官を派閥の不満なしに処遇できるかどうかは未知数だ。これについては、

を参考にして欲しい。

合流新党と玉木新党

合流新党と玉木新党(https://mainichi.jp/articles/20200903/k00/00m/010/237000c)

さて、前置きが長くなったが、今回の合流新党の特長は、何と言っても安倍政治を支持してきた御用組合の連合をともかくも排除したことにある。神津里季生率いる連合は、これまで日本一新の「革新野党」の形成を妨害してきた。連合傘下の有力産別労組は、電力総連、自動車総連、電機連合、UAゼンセン、機械金属労組のJAM、鉄鋼、造船、非鉄鉱山、航空・宇宙、産業機械、製錬、金属加工、情報関連・物流産業のほか、多くの関連業種で働く仲間が結集した基幹労連などだ。

これらの産別労組が形成されている企業は、電力、鉄鋼、電機、自動車などの日本経団連を支える大企業である。これらの企業は消費税の増税(多額の消費税が還付され、下請けに製品納入価格の引き下げを要求し、中小企業を疲弊させてきた)やコストが高く、危険なことから世界では廃止が世界の潮流になっている原発の再稼働で利益を得られる。余談だが、原発大国ドイツがあっさりと脱原発に踏み切ることができたのは、地方自治体が原発に代わる自然絵ルギーなどのシステムを構築し、電力の生産と供給システムを作っていたからだ。

話を元に戻すと、だから、連合は政府の政策に賛成する一方、日本一新の革新政党の結成を妨害してきた。米国では共和党と民主党の二大政党があるが、軍産複合体に操られているため、大差はない。これに対して、欧州連盟(EU)やEUから脱退してきた英国では、保守党とゴーデスベルグ綱領で共産主義と決別した社会民主党、労働党という二大政党制がそれなりに根付いている。双方とも、政権交代を行い、政権を運営してきた経験がある。

米国は、自国型の二大政党制を日本に作ろうとしている。マスコミを操って、日本維新の会を持ち上げてきたのは、その布石だ。そして、欧州型の二大政党政治の政治体制創出を妨害してきたのは、米国の対日工作活動を行っているCIAの手先になっているの連合だ。このため、連合の神津里季生会長は、国民新党所属の上記産別労組出身の労組議員を合流新党に加わらせようとして画策してきたが、立憲の枝野代表が踏みとどまってこれを受け入れなかった。「原発ゼロの社会の一日も早い実現」という合流新党の綱領案を変更しなかったためだ。

このため、同盟系労組議員の行き場はなくなり、9人の労組議員が合流新党入りを諦めた形になっている。この際、日本に二大政党制政治体制を構築することを妨害してきた連合の神津里季生会長は大罪を犯してきた責任を採って辞職し、連合は御用労組系と真正労組系に分裂すべきだ。御用労組系は自公勢力を支持することを大手メディアを通して、国民に明らかにすればよい。もっとも、労働者(勤労者)の利益よりも企業の利益を優先する労組などは、「労働組合」とは呼べない。

立憲に合流することになった小沢一郎周囲議員

立憲に合流することになった小沢一郎周囲議員(https://digital.asahi.com/articles/ASN936HTPN93UTFK017.html)

合流新党樹立の立役者は、自民党時代に首相になろうと思えばいつでもなれた小沢一郎衆院議員だろう。まず、「国民の生活が第一」から「自由党」に党名変更し、山本太郎共同代表(参院議員)を独立させて野に放ち、自らは国民新党に入党、玉木代表に原発廃止を納得させたうえで、立憲との合流の最前線に立つという動きだ。小沢衆院議員の言うことを聞かなかった国会議員はだいたいが悲惨な結末を迎えている。石破氏もその一人だし、小池百合子東京都知事もそうなるだろう。山尾志桜里(しおり)衆院議員も、憲法観では自民党や日本維新の会とは異なるので、玉木新党(国民民主党名を受け継ぐ予定)が日本維新の会に合流すれば、政治生命を失うだろう。

玉木衆院議員はツイッターなどで、自民党や日本維新の会に合流することはないと「言明」しているが、定かでない。山尾しおり衆院議員は、玉木氏にこの言葉を守らせるべきだ。

今回、玉木氏が新党に合流しなかったのは、やはり枝野氏との怨念だろう。枝野代表にも責任の一端はある。また、民主党時代に要職にありながら、TPPへの傘下や消費税率の10%への引き上げを決めた菅直人首相や野田佳彦首相(いずれも当時)のお仲まで、小沢氏を追い出したという責任もある。合流新党の結成とその運営に当たって、旧民主党の重鎮を務めたこれらの議員が反省しなければ、合流新党の先行きは暗くなる。その場合は、中堅・若手議員に力をつけてもらわねばならない。

それらを払拭して、「自立と共生」を理念に、①量的金融緩和と緊縮財政のポリシーミックスが日本の経済社会を破壊させてきたことを国民に明らかにし、少なくとも積極財政・補完敵金融政策のポリシーミックスを打ち出す②消費税の廃止と不公平税制の抜本的改革③原発誘致自治体への補償と産業構造の転換策の提示、原発従事者の雇用保証を前提に、期限を区切って「原発ゼロ社会」を早期に実現する④コロナ禍対策の抜本的転換ーなどで、政策を深めることが肝要だ。そうして、各省庁の官僚を活躍させる機会を与えることが不可欠である。

◎追記:合流新党に参加した馬淵澄夫衆院議員が3日、本人のサイト(https://mabuti.net/post-4671/)でれいわ新選組の山本太郎代表との連携を表明した。引用させて頂く。

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ただし、政党が違っても与党に対抗する野党勢力として協力できるところは協力すべきであり、与党を喜ばせるだけの対立は避けなければならない。

それは他野党、例えばれいわ新選組との関係も同じである。私自身、新党入党後も、山本太郎代表との個人的関係は続け、選挙で協力できるところは協力していきたいと考えている。新党だけで野党の大きな塊が完成したわけではなく、選挙に向けて速やかな協力関係を作るために自分が役割を担えるのであれば、積極的に取り組んでいきたい(中略)。

野党新党は、特定の既存政党の政策を引き継ぐものではない。つまり、新党として全く新たな議論が始まるということだ。この点はぜひ強調しておきたい。

例えば、立憲民主党は今まで党として消費税減税には消極的だったが、8月31日に枝野代表が消費税や所得税の減税などを掲げることに前向きの意向を示した。玉木代表も2日の記者会見で、枝野発言を評価した上で、消費税減税を次期衆院選で野党陣営の旗印にしたいとの考えを示している。新党の経済政策はまだゼロベースだ。私の持論である消費税減税は、研究会で重ねられた議論を取りまとめる段階にある。早々に消費税減税と代替財源案を公表し、消費税減税を来たるべき衆院選での野党共通政策とすべく、新党で活動していきたいと考えている。
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馬渕衆院議員は、山本太郎代表と「消費税減税研究会」の共同代表を務めたほか、7月4日投開票の東京都知事選挙で応援炎説を行った経緯がある。「消費税減税研究会」はその後、「不公平税制をただす会」に発展・改組された。馬渕衆院議員は、小沢衆院議員とともに合流新党とれいわ新選組の総選挙での共闘を実現するキーマンのひとりになるだろう。

なお、最近の米中戦争について重要な論点を、東アジア共同体研究所が作成した論文から引用しておきたい。米国軍はもはや、精密仲長距離ミサイルでは中国の人民解放軍に勝てなくなったようだ。https://www.eaci.or.jp/archives/detail.php?id=141からだ。

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5月27日付のAVP第3号でも指摘したとおり、軍事支出や核弾頭数などを比較すれば、中国の急速なキャッチアップはあるものの、総合的な軍事力ではまだ米国が十分なリードを保っているように見える。だが、それは「森を見て木を見ず」とも言うべき議論。米軍が机上演習(war game)等を繰り返して検討したところ、「米軍は東アジアで中国軍に勝てないかもしれない。少なくとも、中国軍と戦えば大損害を被る」という結論に至った模様だ。この危機感と焦燥感こそが、米軍に対中戦略の抜本的な見直しを迫っている。(中略)

 

今年5月22日、故ジョン・マケイン上院議員の側近だったクリスチャン・ブローズが「米国の軍事的卓越の時代は終わった」という題名の論考をウォール・ストリート・ジャーナルに寄せた。[vi] ブローズによれば、2017年の年末にマケインを含む上院議員は中国の精密誘導ミサイルや長距離センサー、宇宙反撃能力等についてブリーフィングを受けた。ブリーフィング終了後、マケインは「アジアで米軍の前進基地が粉塵に帰し、米軍の空母や艦船が沈没させられ、通信ネットワークは遮断され、米国の衛星が撃ち落されたりした挙句、数千名の米兵が生命を失う」事態を真顔で心配していたと言う。

ブローズはカーネギー国際平和基金上級研究員の肩書を持つほか、先端軍需産業にも所属しているので、その点は割り引いて聞いた方がよいかもしれない。だが近年、「中国軍が配備する精密誘導ミサイルの射程が伸び、命中精度が向上したため、在沖米軍基地といった固定目標はもちろん、空母などの米軍艦船を破壊から守ることができない」いう危機意識が米当局者の間で急速に広まっていることは事実だ。ミサイルは地上(=中国大陸)、艦船、航空機から発射され、既存のミサイル防衛・防空システムでは防ぎきれない。(中略)

昨年、国防総省が米議会に提出した報告書によれば、中国が保有する陸上配備ミサイルは、短距離弾道ミサイル(射程300~1,000㎞)は精密誘導型で750~1,500発。台湾も南西諸島もすっぽり射程に収める。準中距離弾道ミサイル(射程1,000~3,000㎞)は精密誘導型、対地・対艦攻撃用で150~450発。中距離弾頭ミサイル(射程3,000~5,500㎞)は陸上移動式、準精密誘導型でグアムもカバーする。後述するが、米軍は現在、これらに対応する地上発射ミサイルを(ICBM以外は)保有していない。下図は中国の長距離ミサイルの射程を地図に重ねたものである。[viii] 米軍のみならず、自衛隊も圧倒的劣勢に立たされていることがわかる。
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詳細は引用元の原文に当たっていただきたい。これらの原点は、中国の鄧小平の指導体制の下で、1978年12月に開催された中国共産党第十一期中央委員会第三回全体会議で提出、その後開始された中国国内体制の改革および対対外開放政策、つまり、「改革・開放路線」にある。そして、この「改革・開放路線」には日本が深く関与している。日中両国は同じ年の8月、「日中平和友好条約」を締結。続く「10月22~29日、鄧小平氏が、中国の指導者としては戦後初となる正式訪日を行った。この訪問は、『中日平和友好条約』の批准書交換セレモニーに出席するためのものだったが、鄧小平氏にとっては中国近代化の大戦略を準備するための学習の旅でもあった」(http://j.people.com.cn/95911/95954/6545780.html

「米中冷戦」から「米中熱戦」へ暗転すれば、日本の在米軍基地はすべて攻撃され、米国はもちろん日本も甚大な被害を被ることになる。正解は決して、安倍政権及び安倍亜流政権が急いでいる「精密注長距離ミサイル」の爆買いと実戦配備ではないだろう。そうすれば、必ず「米中冷戦」が「日中冷戦」につながり、「日中熱戦」にも暗転しかねない。日本の政府は戦後、日本国憲法の唱える「積極的平和外交」を行わず、対米従属体制のまま米国の言いなりになってきた。合流新党の結成とともに日本の「戦後政治の総決算」を行い、「日本一新」を成し遂げることが最重要の課題になってこよう。