日本の真の夜明けの到来を告げる最新刊・「『対米従属』という宿痾」

飛鳥新社から鳩山由紀夫元首相、外務省国際情報局長・駐イラン大使、防衛大学教授を歴任された国際政治評論家の孫崎享氏、日本を代表する国際政治経済評論家の植草一秀氏の三氏が、最新刊である「『対米従属』という宿痾」を飛鳥新社から出版された。「宿痾」というのは「不治の病」のことであるが、本書は文化、政治、経済、社会、外交・軍事の全ての面から、民主党政権の大失敗を踏まえて、この「不治の病」を克服する処方箋を提示した大著である。同時に、自主独立・東アジア共同体構築を目指す「保守リベラル」の再興への鳩山元首相への決意の書でもある。

サイト管理者は、国民の期待を裏切った民主党政権の大失敗の最大の責任者は同党代表であり、初代首相にもなった鳩山由紀夫氏であると思っている。同氏は民主党を離党したが、同氏の掲げた「自主独立日本と東アジア共同体の構築」の大目標は21世紀の日本が歩むべき進路を、正しく提示したものと言って良い。鳩山由紀夫氏の責任のとり方は隠遁生活をすることではなく、生活の党の小沢一郎代表や亀井静香前国民新党代表(現・みどりの風用心棒)らとともに「保守リベラル」の勢力を結集、日本の自主独立と東アジア共同体の構築を果たし、世界に貢献することである。

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鳩山氏のその決意と、同氏を支えるブレーンの孫崎享、植草一秀氏の政策提言が光る。242ページに次のような対話がある。

植草 「国民の側からより高い意識を持った集団が生まれることも大事だと思いますし、その中から新しいリーダーが登場する必要もあると思いますが、いまは、まだ2009年の思いが実現していない中で、鳩山さんの深いご経験を生かしていただくことも大変重要だと感じています」

鳩山 「当然のことながら、私もあらゆる意味で、努力してゆきたいと思っています。孫崎さんも植草さんも、もう怖いものがないようですが、私もそろそろ怖いものがなくなっていますから・・・。」

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明治維新で成立した明治新政府は明治六年、重大な政変を迎える。この政変はさまざまな解釈がなされているが、最近では金権汚職に堕し、反動勢力となった明治新政府に対する西郷隆盛、江藤新平らの政府刷新運動との理解が有力になっている。

革命に反革命はつきものであり、その反革命を打ち破ってこそ、新たな時代と文明が誕生する。鳩山政権をクーデターで打倒した菅直人、野田佳彦政権、それに続く偽装与党勢力の安倍晋三政権はつまるところ、国民の期待を裏切った反動政権以外の何物でもない(政策なるものは同じ)。この反動政権の本質と救国・救世の政策を提言した警世の書が、本書である。「対米隷属保守」という語義的にも矛盾に満ちた存在は、その矛盾の故に、必ず自己破滅する。それを見据えた世界史に通用する保守リベラルの台頭を願ってやまない。

※追伸 本書については、畏友・高橋清隆氏が自身のブログで別の観点から書評を掲載されている。ご高覧賜りたい。http://blog.livedoor.jp/donnjinngannbohnn/archives/1761314.html 。

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