北海道の地域政党である新党大地(鈴木宗男代表)が自公勢力に寝返った。7月10日投開票と見られる今年夏の参院選では、非回線議席数が多いことから、自公勢力側が参院選で三分の二を制圧し、自民が2012年4月27日に決定した「日本国憲法改正草案」に付加した「第9章 緊急事態」条項を「憲法改正案」として発議し、マスコミを使って憲法改悪を実現する公算が小さくない。理念・政策で一致した真の野党勢力を結集して、参院で過半数を獲得する必要がある。

共同電によると、
町村信孝前衆院議長死去に伴う4月の衆院北海道5区補欠選挙で、北海道で一定の影響力を持つ地域政党・新党大地の鈴木宗男代表は9日、支援者との会合で、自民党公認候補で町村氏の娘婿の新人和田義明氏(44)を支援すると明らかにした。新党大地として推薦する意向という。

同補選では、和田氏のほかに、民主党北海道連から出馬要請を受けた新人池田真紀氏(43)と、共産党が擁立した新人橋本美香氏(45)が出馬表明。共産党は志位和夫委員長が安全保障関連法廃止に向けた野党統一候補のためには、橋本氏を取り下げることも示唆し、野党共闘の成立の成否が焦点となっていた。〔共同〕」

【自公側に寝返った鈴木宗男代表】

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新党大地が自公勢力であることが明らかになったわけだが、共産党の「国民連合政府」構想が本物なら、理念・政策で一致した真の野党共闘に突き進む、つまり、共産党候補を取り下げるだろう。ただし、生活、共産、社民がまず結集し、これに民主、維新の隠れ小沢派議員が参加、維新の松野頼久代表が言っているように民主、維新が解党してこれに加わることが必要である。

民主党のフランケンシュタイン=岡田克也代表が解党を拒んでいるようだが、その場合は民主党の正統派が党を割って理念(共生共栄友愛)と政策(①戦争法の完全廃止②「アベノミクス=アホノミクス=新自由主義」からの脱却③反原発・新エネルギー開発④辺野古基地建設阻止⑤憲法改悪=緊急事態条項付加阻止)―で一致した真の野党共闘に参加すべきである。

国政選挙の時になると、北朝鮮はいつも自公勢力に有利なように振る舞い(今回は、「水爆」実験)、国際情勢もこれに類似する(サウジアラビアとイランとの対立激化=イスラム教のシーア派とスンニ派の対立)が、これに騙されてはいけない。背後には、国際的な軍産複合体が存在する。

自民党が憲法改悪案に付加した「緊急事態条項」は次のようなものだ。

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第九章 緊急事態
第98条(緊急事態の宣言)
1 内閣総理大臣は、我が国に対する外部からの武力攻撃、内乱等による社会秩序の混乱、地震等による大規模な自然災害その他の法律で定める緊急事態において、特に必要があると認めるときは、法律の定めるところにより、閣議にかけて、緊急事態の宣言を発することができる。
2 緊急事態の宣言は、法律の定めるところにより、事前又は事後に国会の承認を得なければならない。
3 内閣総理大臣は、前項の場合において不承認の議決があったとき、国会が緊急事態の宣言を解除すべき旨を議決したとき、又は事態の推移により当該宣言を継続する必要がないと認めるときは、法律の定めるところにより、閣議にかけて、当該宣言を速やかに解除しなければならない。また、百日を超えて緊急事態の宣言を継続しようとするときは、百日を超えるごとに、事前に国会の承認を得なければならない。
4 第二項及び前項後段の国会の承認については、第六十条第二項の規定を準用する。この場合において、同項中「三十日以内」とあるのは、「五日以内」と読み替えるものとする。

第99条(緊急事態の宣言の効果)
1 緊急事態の宣言が発せられたときは、法律の定めるところにより、内閣は法律と同一の効力を有する政令を制定することができるほか、内閣総理大臣は財政上必要な支出その他の処分を行い、地方自治体の長に対して必要な指示をすることができる。
2 前項の政令の制定及び処分については、法律の定めるところにより、事後に国会の承認を得なければならない。
3 緊急事態の宣言が発せられた場合には、何人も、法律の定めるところにより、当該宣言に係る事態において国民の生命、身体及び財産を守るために行われる措置に関して発せられる国その他公の機関の指示に従わなければならない。この場合においても、第十四条、第十八条、第十九条、第二十一条その他の基本的人権に関する規定は、最大限に尊重されなければならない。
4 緊急事態の宣言が発せられた場合においては、法律の定めるところにより、その宣言が効力を有する期間、衆議院は解散されないものとし、両議院の議員の任期及びその選挙期日の特例を設けることができる。
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これは、「国会放火事件」を捏造して共産党を弾圧したうえで、ナチスが1933年3月23日に制定、ワイマール憲法を破壊した「全権委任法」と趣旨は同じである。要するに、①「内乱」を捏造して反自公勢力を弾圧する②世界的な軍産複合体による国際情勢激変の捏造―などで緊急事態を発動し、大政翼賛会を組織し、基本的人権の尊重・国民主権(議会制民主主義)・国連中心の平和主義を規定した現行憲法を破壊することに狙いがある。そして、米国に日本の国民、富を献上して、世界的な反動勢力の走狗になる。

対米独立か、対米従属か、新年の参院選が、戦後史の分水嶺になる。

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