安倍晋三首相が期待している三本の矢のうち、「成長戦略」なるものは新自由主義に基づく「成長戦略」をよりひどくしたもので、「経済縮小戦略」である。内閣官房長官の菅 義偉 (すが よしひで)氏が黒幕。

第一の矢は財政出動だが、利権集団=シロアリ族へのバラマキで、乗数効果(波及効果)は限定的。そもそも、その狙いが消費税大増税実施のための環境づくりで会ったから、期待する方がおかしい。

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第二の矢は「異次元の金融緩和」とするハイパースタグフレーション政策。お陰で、最も重要な金融・資本市場である国債市場が乱高下しており、国債投機筋の攻撃目標になっている。今週初は平均株価高で始まったが、乱高下しつつ、元の木阿弥になる。為替は円安政策に米議会の反対が強まっているから、修正せざるを得ない。マスコミは、黒田バズーカ砲と持ち上げたが、「水鉄砲」以下で、水の代わりに泥沼を入れているようなものだ。

安倍首相が最大の矢とする成長戦力の実態は、「成長縮小戦略」でしかない。植草一秀氏の指摘に付け加えるとその内容は

  1. 日本農業を農家の手から奪い取って外国資本に献上すること。
  2. 経済特区を作り、資本優遇特区を形成すること。
  3. 法人税を減税すること。
  4. 実質的に混合診療を導入して、公的保険制度の圧縮を図ること。
  5. 非正規社員はもちろん正社員の解雇の自由を拡大すること。
  6. プライマリーバランス(国債の収支を除く財政収支。要するに、歳入の範囲でしか歳出しない超緊縮財政)

これを見て分かるように、消費税大増税、社会保障費の大幅カットによる超緊縮財政の下で、大企業(といっても、実態は米国系多国籍企業)に有利な「規制の無規制化」を行うという事だから、小泉・竹中構造改革が破綻した以上の破綻が訪れ、憲法96条(国会の発議権の緩和。そもそも、内閣は憲法を擁護すべき存在であり、憲法改正という名の「憲法改悪」の音頭をとることこそ、憲法違反である)の改悪が実現すれば別だが、2013年夏の衆参同日選挙で自公は壊滅し、その補完勢力であるみんな+維新が浮上する可能性はある。ただし、同じ柳の下のドジョウだから、補完勢力も壊滅的打撃を被る公算が大きい。

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ただし、安倍首相が持病を理由に退陣し、麻生太郎財務相が出てくる可能性はある。ただし、麻生財務大臣が首相の器かどうか、大いに疑問だ。

自公+みんな+維新は主権者国民をなめない方が良い。野党がだらしない(特に、民主党の海江田万里代表―細野豪幹事長ラインの腹のなさと結果的に与党に加担する共産党)としても、主権者国民は目覚めつつある。

 

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