速報値だが、今年第三・四半期の経済成長率が鈍化した。基本的に消費税を導入するための13兆円規模のバラマキ公共投資の余波と消費税増税前の駆け込み需要の効果のみである。今後、今年度後半以降、景気は30兆円規模のデフレ財政で本格的に悪化する。

以下は、NHKによるもの。

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今年7月から9月までのGDP=国内総生産の伸び率は、物価の変動を除いた実質で前の3か月と比べプラス0.5%、年率に換算してプラス1.9%と、4期連続のプラス成長となりましたが、前の期に比べて伸びが鈍化しました。

内閣府が発表したことし7月から9月までのGDPの伸び率の速報値は、物価の変動を除いた実質で前の3か月と比べてプラス0.5%、年率に換算して、プラス1.9%となりました。

GDPは4期連続でプラスとなりましたが年率でプラス3.8%だった前の期に比べて伸び率は鈍化しました。
主な項目では、「公共投資」は、大型の補正予算の効果で6.5%のプラスとなったほか、「住宅投資」も、消費税率引き上げ前の駆け込み需要などで、2.7%のプラスとなりました。一方、「設備投資」は、0.2%の小幅なプラス。

これまで成長率を押し上げてきた「個人消費」は、株価の上昇が一服したことなどを背景に伸びが弱まり、0.1%のプラスにとどまりました。また、「輸出」は、アジアの新興国をはじめ海外経済の成長が鈍化していることなどから0.6%のマイナスと3期ぶりにマイナスに転じました。

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実質 0.5%(年率 1.9%)、名目 0.4%(年率 1.6%)と実質、名目ともに 4 四半期連続のプラス成長となったが、GDPデフレーターは季節調整済前期比で▲0.1%と 2 四半期ぶりのマイナスになり、デフレからの脱却には程遠い。前年同期比でみたGDPデフレーターについても、▲0.3%の下落となった。下落は 2009 年 10-12 月期以降 16 四半期連続。内需デフレーターが季節調整値で前期比0.2%増と4四半期連続プラスになったが、これは平成24年度の13兆円規模の補正予算(消費税を増税するためのバラマキ公共投資)と消費税増税前の駆け込み需要によるものであり、一時的なものでしかない。

なお、実質輸出はマイナスである。「財貨・サービスの輸出については、実質▲0.6%と 3 四半期ぶりの減少となった。電子・通信機器や石油製品、鉄鋼製品などの輸出が減少に寄与したとみられる。他方、財貨・サービスの輸入については、実質 2.2%増と 3 四半期連続の増加となった。輸送機械や電子・通信機器などの輸入が増加に寄与したとみられる。この結果、純輸出(輸出-輸入)の実質GDP成長率に対する寄与度は▲0.5%のマイナス寄与となった」(内閣府)。要するに、円安による純輸出の増加を期待したアベクロのミクス(アベノミクス)は破綻した。

今後、第一に、消費税率3%引き上げによる8兆円規模の大衆増税がなされる。第二に、所得税増税(復興特別増税と所得制限などによる世帯当たりの負担増)と厚生年金保険料の引き上げなどによって、さらに8兆円程度、可処分所得が減少する。第三に、13兆円規模の補正予算による景気刺激策の効果が剥落する。合計、30兆円規模の巨額のデフレ財政が組まれ、財政デフレが本格化する。今回のGDP統計は、その予兆である。

【追記】日本金融財政研究所の菊池英博所長によると、7-9月期の国内総生産(GDP)統計の悪化は、4-6月期に設備投資を加工して同期のGDPを嵩上げした反動が大きいとのことである。国民所得統計的には、法人企業統計に基づく民間設備投資を恣意的に上方修正すればGDPは嵩上げできる。財務省は内閣府を使って消費税増税を「決断」させるために、4-6月期のGDPを捏造したわけである。

この手口は、2003年9月の自民党総裁選で小泉純一郎―竹中平蔵両氏ラインが使い、総裁の座を掴んだ際に使った手口と同じである。後ほど、詳細について述べる。

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