東京都知事選挙敗北の原因―共産党が自公対米隷属「右翼」政権の補完勢力として機能

2月9日に投票が行われた東京都知事選挙は、即時脱原発を柱に掲げる細川護煕候補が三位にとどまり、敗退した。前日土曜日の吹雪を伴う大雪の影響で投票率が46・14%で、衆院選と同日選挙だった2012年12月の前回選の62・60%を大幅に下回ったこともあるが、共産党が「民主連合政府構想」を捨て去り、独自候補を擁立することにより自公対米隷属「右翼」政権の補完勢力として機能したことが主因である。

日本共産党が自公政権の補完勢力として機能していることは、本サイトで繰り返し主張してきたことである。既に、共産主義なるものは理論的にも実証的にも破綻している。このため、「民主連合政府」➤「民族民主統一戦線」➤「革命政権」という構想は実現が不可能である。

【ゴーデスベルク綱領を採択させたドイツ社会民主党のエーリッヒ・オレンハウアー党首】

Bonn, Bundestag, Pariser Verträge, Ollenhauer

日本共産党は1959年にドイツの社会民主党が階級闘争史観を否定してゴーデスベルク綱領を採用したように、党綱領を抜本的に改変し、マルクス・レーニン主義と完全に決別、階級政党ではなく国民政党として脱皮するしか生き残る道はない。さもなくば、自公反動政権の補完勢力として命脈を保つにしても後継者が現れず(年老いてきた日本共産党党員の子女は共産主義を信じていない)、最後には自然消滅して行くだろう。なお、民主主義の精神的基盤は世界宗教としてのキリスト教である。日本の初期の社会主義者の安倍磯雄や片山潜らはユニテリアン系のキリスト教➤社会主義(マルクス・レーニン主義)と思想変遷した。

ボリシェビキのウラジーミル・レーニンもロシア正教の洗礼を受け、ヨシフ・スターリンに至ってはギリシア正教の神学生であったが棄教、無神論に転向した。生前のイエス・キリストには会っていないパウロが広めたアタナシウス系の欧米キリスト教には、三位一体論の神秘主義性、「神の国」構想が抽象的であり、限界があることを見て取れるそこに19世紀半ばから21世紀にかけ、「共産主義」というもうひとつの「悪魔の思想」がはびこる原因になったと思われる。

【キリスト教徒を迫害していたパウロの回心】

250px-Saint_Paul_Ananias_Sight_Restored

宇都宮健児候補の投票数は前回とあまり変わらず、982,594票、細川候補の得票数は 956,063票だから、真の民主主義再建主権者国民連合候補を擁立していれば、単純計算で190万票を上回る票になったから、投票率の大幅なアップ(1%のアップで10万票増える。20%アップでは200万票増える)で、2,112,979票の舛添要一候補を破ることは十二分に可能であったはずだ。

課題は、日本再建救国主権者国民連合(理念としては自立と共生共栄友愛主義を柱とした真の民主主義の再建・創造、政策としては①悪魔のイデオロギーである「新自由主義」との決別②ケインズ理論の再生に基づく大規模な財政出動による景気復活と税収の大幅な増収の確保③即時脱原発と新エネルギーの開発による新産業の育成④特別会計の解体的改革を柱とした財政構造改革⑤日本型福祉国家の再生による内需振興⑥大東亜共栄圏構想の失敗を償う東アジア共同体の構築による成果平和への貢献)を創設することである。

 総じて、現在の「悪魔の思想」「新自由主義」と「共産主義」であると断定できる。無神論に立脚していることでは、共通している。

この記事が気に入ったら
フォローしよう

最新情報をお届けします

Twitterでフォローしよう