内閣府は28日、5月の月齢経済報告「景気は、新型コロナウイルス感染症の影響により、急速な悪化が続いており、極めて厳しい状況にある」を閣議に報告、安倍尊像内閣は了承した。この状況判断からすれば、27日発表された正確な真水10兆円程度の第二次補正予算案は理解に苦しむ。この政権が日本の国民の暮らしや経済社会の正常化を求める姿勢がないことを端的に示している。

今後については、「感染拡大の防止策を講じつつ、社会経済活動のレベルを段階的に引き上げていくが、当面、極めて厳しい状況が続くと見込まれる。金融資本市場の変動等の影響を注視する必要がある」とありきたりのことしか展望できない。

内閣府のある合同庁舎

4月と5月の内容の変化について、下図に紹介しておきます。マウス・クリックで拡大します。下線部が変更部分です。

第二次補正予算案は策定の際に、日本の経済の苦境を示した5月の月例経済報告の概要は分かっていたはず。本来なら、先に月例経済報告を発表、そのうえで第一次補正予算で抜けていた部分を補充し、取り敢えずの消費税のゼロ%への引き下げを含む真正真水で第一次、第二次合わせて100兆円規模の補正予算案を策定するべきだった。ズルいことに、政府=安倍政権は発表の順序を逆にして、第二次補正予算案の真水も、実際は10兆円程度に絞り込んだ。

これでは、新型コロナウイルス感染症の第二波と経済活動の本格再開は不可能だ。なお、緊急事態宣言の全面的解除を行うと同時に、北九州市では第二次感染が発生。6日間で43人の感染者が確認されている。東京でも武蔵野病院で職員と患者合計9人が新型コロナウイルスに感染し、他にも10人の発熱患者が発生、PCR検査を行っている。28日は公式発表では15人と3日続けて感染確認者が2ケタになった。10人の発熱患者も感染の可能性が高いが、これは同日の統計に加えられていないのだろう。28日は全国で63人が新型コロナ感染確認者と認定され、12日ぶりに50人を超えた。

第二次補正予算案を組み替えるか、第三次補正予算案を編成しなければならなくなるだろう。需要と供給がともに蒸発しているため、通貨発行券はもっているにしても、通貨をするだけでは大規模スタグフレーションに陥る。新型コロナウイルス感染症の拡大阻止と経済活動の再開が可能なコロナ禍抜本対策に根本転換しなければならない。

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