全国平均でコロナは緊急警報段階、国民民主党は維新と同じ自公政権の補完勢力

国民には立ち位置が分かりにくいが国民民主党はやはり、日本維新の会と同じように自公連立政権の補完勢力だ。再論しておきたい。

1月17日日曜日コロナ感染状況

本日1月17日日曜日の新型コロナ感染状況は、東京都では新規感染確認者は1週間前の1月10日日曜日の1494人を87人上回る日曜日としては過去最多の1592人、死亡者は5人。重症者は前日比2人増加して138人になった(https://www.fnn.jp/articles/-/61484)。
東京都のモニタリング(https://stopcovid19.metro.tokyo.lg.jp/)では、7日移動平均での感染者数は1503.7人、PCR検査人数は9585.4人だから、瞬間陽性率は15.69%。東京都独自の計算方式では12.5%。感染者のうち感染経路不明率は60.23%だった。
全国では午後20時00分の時点で新規感染者数は5759人、死亡者数は49人が確認されている。累計では4525人。重症者は前日比7人増加して972人。
【参考】東洋経済ONLINE(https://toyokeizai.net/sp/visual/tko/covid19/)では、1月16日時点の実効再生産数は全国が前日比0.09人減の1.03人、東京都は前日比0.13人減の0.92人となっている。実効再生産数が急激に低下していることが気にかかる。原理的には、1.0を下回れば新規感染者数が減少傾向に転じることになるが、果たしてどうか。

東京都のコロナ感染者数の推移
東京都のコロナ感染者数の推移

【追記15日午後13時】厚生労働省が15日時点の「都道府県の医療提供体制等の状況」(https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/000721106.pdf)を公表した。

全国平均で、緊急警報レベルのステージ4。➀最大確保病床の使用率は52.1%(ステージ4は50%以上)②人口10万人当たりの療養者数は50.4人(同50人)③1周間平均のPCR検査陽性率10.7%(同10%:世界保健機構=WHO=は5%以下に抑えることを世界各国に要請)➃10万人当たりの新規感染者数34.38%(同25%)⑤新規感染者数の前周毖(超簡易実効再生産数)1.38(同1)⑥感染経路不明者の割合55.6%(同50%)と公表されている(病床使用率は左から2列目、重症患者用は26.5%でステージ4の半分超だが、感染者の増加とともに少しずつ上昇している。なお、入院などができず自宅待機の感染者は日本共産党調べで11都道府県で3万5千人)。

日刊ゲンダイに18日号よると、見捨てられた県もある(下図)。要するに、全国にざるでない限定的緊急事態宣言ではなく、補償措置を含むまともな緊急事態宣言を発令する段階だが、厚労省が定めた「ステージ」基準は有名無実になっている。。西村康稔経済再生・コロナ担当相は17日午前、「去年春の緊急事態宣言時並みの徹底を」求めたが、それなら限定的緊急事態宣言とは矛盾する。支離滅裂というほかない。

新型コロナ感染でステージ4相当だが、見捨てられた県
新型コロナ感染でステージ4相当だが、見捨てられた県

さてまず、喫緊の課題であるコロナ禍対策について。国民の玉木雄一郎代表はツイッター(https://twitter.com/tamakiyuichiro?ref_src=twsrc%5Egoogle%7Ctwcamp%5Eserp%7Ctwgr%5Eauthor)で米国のバイデン次期の補償対策を強く支持している。

国民民主党・玉木雄一郎代表のツイッターより
国民民主党・玉木雄一郎代表のツイッターより

その上で、国民新党自身のコロナ禍対策について同じツイッターで図表を示している。

国民民主党のコロナ禍対策
国民民主党のコロナ禍対策

2020年度第三次補正予算案を組み換え、真水で48兆円の財政資金を投入すべきというものだ。しかし、よく見てみると当初は消費税凍結・廃止と言っていた提言が抜け落ち、1年間は10%から5%に引き下げるという程度で、大幅に後退している。この点を、国民の公式サイトで確認する(https://new-kokumin.jp/policies)と、➀消費税率引き上げの際に使途を教育目的にも拡大②複数税率導入を前提にした消費税率引き上げは認めないーとしている。

複数税率は、消費税の原型になった欧州の付加価値税率では普通に採用されているが、それは無視している。国民の基本的なスタンスは、当面は消費税を減税せざるを得ないが、「コロナ収束」後は消費税の増税を積極的に推進する「政策」を打ち出している。

1997年から2019年までの消費税率の3%から10%の引き上げに象徴される緊縮財政推進強行が、民間最終消費支出を抑制、引いては民間企業が能力増強投資・技術革新投資などの民間設備投資を活性化出来なかった。このため、国民は消費税増税や財政・金融政策がコロナ禍前までに日本の経済社会を20年維持床の長期デフレ不況に落とし込んだことの事実を無視している。安倍晋三前政権下の実質国内総生産成長率の4半期ごとの平均は0.4%である。民主党政権時代でさえ1.6%だったから、消費税増税を含む緊縮財政・量的金融緩和政策が日本の経済成長率を大幅に引き下げてきたことは周知の事実である。

また、消費税増税による税収増は高所得者のために累進税制の緩和策(所得税減税)と法人税率の引き下げ(法人税減税)の財源になった。自公政権時代の大義名分であった「社会保障と税制の一体改革」なるものは完全に虚偽であった。玉木代表率いる国民がこの事実を知らないわけではないだろう。消費税凍結・廃止から一転して、消費税増税推進に転換したことは重大だ。玉木氏は単純な財政規律派でしかない(参考サイト:https://www.youtube.com/watch?v=AklzR64BlDc。統合政府の通貨発行権には無知で、いずれ増税不可欠と「説明」している)。

一応、➀個人と企業の税負担の見直し②所得税や法人税の抜け道をなくす③金融所得課税の引き上げーなどには触れているが、「税制改革」に賛成していることのアリバイ作りでしかない。言葉の真の意味での税制抜本改革(所得税・住民税の累進課税制度の強化、法人税・地方法人税への累進制度の導入、金融所得への分離課税の廃止、逆進性が最も大きい税制である消費税の廃止)を打ち出す意向はないと断定して良い。

また、コロナ禍対策に関連してさらに言えば、一応、持続化給付金の延長や生活支援金の支給は打ち出しているが、パンデミック感染症法への対応の基本原則であり、最も重要な大規模検査と保護・隔離・適切な医療機関での医療措置(ホテルや旅館の借り上げ、東京オリンピック/パラリンピックの選手村の利用、簡易医療施設の建設を含む)のセット体制の確立に対する言及は不十分だ(https://new-kokumin.jp/wp-content/uploads/2021/01/e9179f6a987f99c856949523c9b46ec7-1.pdf)。取り敢えず、「緊急事態宣言下における国の責任による休業全額補償と事業者に対する罰則をセットで(インフル特措法を)改正」するとの表現だが、罰則規定の盛り込みを全面的に打ち出していること。

政府=菅政権が休業補償(勤労者の生活補償を含む)を十分に盛り込むことは考えられない。規模にかかわらず飲食店に1店舗当たり上限6万円(月額180万円)しか支給せず、飲食店は事業継続で苦境に立たされている。全額補償の具体的な中身とそれが中小企業にとって十分でなかった場合も罰則規定を盛り込むのか。全く曖昧だ。これでは、政府=菅政権に賛成しているようなものてはないか。罰則なしの十二分の休業補償・生活支援、全額国庫負担による大規模検査・治療体制の確率こそが経済の下支えになる。

国民民主党のサイトより
国民民主党のサイトより

基本政策で言えば、原発ゼロへ向けての対応が極めて曖昧だ。「2030年代原発ゼロに向け、あらゆる政策資源を投入」としか記していない。地震大国での原発利用はもともと無理だった。世界的にも原発の危険性が認識され、しかも、高コストになるという考えに変わっている。技術革新により、天候の変化にも対応できる再生可能エネルギーによる分散型社会への移行が求められている時代になっており、ドイツなどで実現しつつある。原発は誘致自治体の経済社会構造の転換促進と転職補償を国費で行ったうえで、できるだけ早く稼働停止、再稼働・親戚禁止措置という強力なエネルギー政策を打ち出す必要がある。

 


 

国民民主党は前原誠司衆院議員を通して、日本維新の会と連携を深めているフシがあり、それを通して自公両党にも接近しているようだ。また、日本共産党との野党共闘を否定し、野党の分断を図っている神津里季生会長率いる日本労働組合連合会(連合)の指示・支持を受けている。野党共闘の「一翼」を担うなら、野党共闘の分断工作に出る可能性が濃厚だ。

国民民主党系だった元参院議員(比例代表)であり、参議院内閣委員長を務めた大島九州男氏は、福岡8区かられいわ新選組の公認候補として出馬する。れいわのような気概を示さない限り、国民は連立与党政権の補完勢力でしかない。



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