アベノミクス(アベクロノミクス)は最早、完全に破綻した。しかし、安倍晋三首相は9月3日の内閣改造で、自公民で「増税一直線」路線を定めた谷垣氏を幹事長に起用するなど、消費税再増税シフトを敷いた。今年11月中に、「財政再建のため、苦渋の判断をせざるを得なかった」などといって、再増税を強行するだろう。日本経済は撃墜されることになるため、「生体反応」を失った日本国民も目が覚めざるを得ない。

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2015年10月に消費税率が10%に引き上げられることを前提に置くと、2016年夏の衆参ダブル選の可能性は皆無に近くなる。日本経済は2016年第1・四半期に最大の落ち込みを示すことになるからだ。だから、衆議院の解散・総選挙は2015年の春の統一地方選挙後に実施される可能性が高まってきた。しかし、滋賀県知事選挙の敗北を始めとして、安倍政権には陰りが出てきており、福島知事選、沖縄知事選と陰りは一層加速するだろう。沖縄県知事選挙以後、安倍政権の終焉は加速する。

【補注】
現下の日経平均の上昇局面の理由は、日米の金利差拡大と公的年金積立金管理運用独立行政法人による米国債投資を柱とした外債運用による円安の加速にあるが、もはや円安は日本経済にとって何のメリットもない。貿易収支の赤字幅は増大の一途であり、経常収支も赤字に転落した。日本は加工貿易国である。円安になれば、製造業は原材料や燃料の上昇に悲鳴を挙げざるを得ない。アジア諸国との水平分業も進展しているから円安はまた、ガソリン価格や生活必需品価格の上昇につながる。要するに、新自由主義=自由放任主義=掠奪主義の名前を変えただけのアベノミクス(アベクロノミクス)は、円安スタグフレーションの加速という形で、日本の経済社会を破壊つくし始めている。

2015年3月期の企業の決算は厳しいだろうから、1株あたりの利益は減少する。だから、株価の上昇が続けば、株価収益率(PER)が高くなりすぎて、調整局面に陥らざるを得ない。経済の基礎的諸条件(ファンダメンタルズ)からすれば、円安➤株高ではなくて、円安➤株安あるいは円高➤株高でなければおかしいのである。いつまでも、マーケット・メカニズムに逆らうことはできない。

 

 

 

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