1人10万円の生活資金給付に反対する朝日デジタルに反論する

朝日デジタルは2020年4月18日5時00分の投稿記事で「日本の借金の多さはすでに世界でも最悪の水準で、政府内からは『長期戦になって追加の策が必要になっても、財政的な制約でできなくなる』と懸念の声があがっている」として、率直に言えば国民に対して1人当たり10万円の生活資金給付に巧みに反対した。しかし、日本の財政は危機ではない。財政政策を否定する新自由(放任)主義の誤りを無視した財務省の代弁をしたもので、「マスゴミ」として国民を騙す論調は変わっていない。

日本は財政危機に陥っているというのが、「マスゴミ」と揶揄されるマスコミの基本的論調だ。しかし、コロナ大不況が大恐慌に悪化しつつある現在、日本の経済社会の再建策の要(かなめ)は利権支出を全額カットしたうえでの大規模な財政出動しかありえない。

日本の財政状態を「危機的状況」として財政出動を批判・否定するのは、結果として日本の経済をさらに悪化させる。コロナ大不況をコロナ大恐慌に悪化させる愚論以外の何ものでもない。失敗が明らかになっている「アベノミクス」(利権支出極大化新自由放任主義)をさらに賛美するような愚かなことだ。

東京・霞が関の財務省

その第一の理由は、マスコミが財務省の指示通り、一般政府の資産残高が2017年末で1336兆円存在していることを意図的に隠蔽していることだ。植草一秀氏の「25%の人が政治を私物化する国」(詩想社)によると、2017年末の一般政府(中央政府、地方自治体、社会保障基金)の貸借対照勘定では資産・負債状況は次のようになっている。

一般政府期末貸借対照表勘定(単位10億円)

資産・負債内訳 2017年末
1.非金融資産 709,7140
1.1生産資産 591,916.1
1.2非生産資産(自然資産) 117,797.9
 1.2.1 土地 113,341.8
2.金融資産 626,528.3
 2.1持分・投資信託受益証券 169,001.5
 2.2その他金融資産 256,004.5
期末資産 1,336,242.3
期末負債 1,296,967.5
1.1借入 158,663.2
1.2債務証券 107,2995.7
正味資産 39,274,8

 金融資産は、GPIFのような馬鹿げた資産運用をしなければ、増やすことが可能だ。それはさておき、国全体の資産・負債状況を的確に把握するためには、中央政府だけでなく地方政府(地方自治体)と年金資産などの社会保障基金全体で見なければならない。それが、経済学の鉄則である。ところが、財務省は中央政府にしか国民の目を向けさせず、国全体の資産・負債状況を隠蔽し、マスゴミと揶揄されるマスコミを通して真面目な国民を騙してきた。

第二に、財務省は省益、突き詰めれば財務官僚自身の利益しか考えない。そこで、社会保障費など法律を変更しなければ支出額を変えることができない支出(プログラム支出)の割合を、政府に法律を変更させることによって減らそうとする。その反対に、財務省の判断によって支出を増やすことができる裁量的支出を増やそうとする。裁量的支出増加の狙いは、特定の業種に利益を与えることによってその見返りを求めることだ。典型例は天下りだが、政府に三権を掌握させることにより、収賄も行い、贈収賄罪で起訴されないように準備しておく。高級官僚はいくら悪事をおこなったとしても、起訴されない。

今回のコロナ緊急経済対策108兆円の中にも、全く無駄な利権支出が含まれている。このうち、真水(政府による直接の財政支出)は役立つ。27.0兆円しかないが、第一次補正予算案のうち、➀次の段階としての官民を挙げた経済活動の回復2.8兆円②強靱な経済構造の構築8.0兆円③今後への備え1.5兆円は、特定の事業者、族議員に便宜をはかるための裁量的支出=利権支出である。その総額は、12.3兆円である。新型コロナウイルス終息の見通しも立たない中、これらの財政支出は不急ではなく、不要ですらある。これらを廃止して、国民1人あたり10万円の生活支援金給付の財源にすれば、赤字国債の発行は必要はない。

また、5月11日に緊急事態宣言が解除される見込みもないから、追加的休業補償の財源も確保できる。

なお、今回のコロナ大恐慌に悪化しつつあるコロナ大不況のそもそもの原因は昨年10月、2018年10月から景気が後退局面入りをしたのに、安倍首相夫妻が森友学園への国有財産の廉価払い下げ(国民に対する背任罪と贈収賄罪が適用される可能性がある)問題を隠蔽するため、財務省に公文書を書き換え・偽造してもらった借りがあることから、消費税増税を強行したことである。

このことを考えれば、役立つ。いずれは消費税は消費懲罰税に改変し、高額商品・サービスを除いて廃止すべきだが、突っ込んだ議論を要するため、取り敢えずはコロナウイルス感染拡大が収束するまで税率をゼロ%に引き下げるべきだ。その財源22兆円は赤字国債発行で賄えばよい。引き受けには、企業の膨大な内部留保金を利用すれば良い。2018年度の内部留保金は7年連続で過去最大を更新し、金融業・保険業を除く全産業ベースで、17年度と比べて3.7%増の463兆1308億円となっている(2019年9月2日発表)。これは、非正規労働者を増やし、労働分配率を引き下げ続けてきた結果として生じた面が強い。

なお、休業による生産の停止でモノ不足が懸念され、建設工事も停止に追い込まれる恐れが強いため、赤字国債を発行し続けると、不況下の物価高(スタグフレーション)を招く。このため、新型コロナウイルス感染症対策を抜本転換し、医療機関の完全防疫体制を整えたうえで、躊躇せずにPCR検査、抗体検査を積極的に行い、軽症者用の隔離施設を確保する(従来の仮設住宅の利用やホテルの借り上げのほか日本財団がお台場にある船の科学館の提供を申し出ているなどのことがある。災害も含めて将来に備え、建設国債で仮設施設を作っておくことも必要)などの手立てを講じることによって、一刻も早く、新型コロナ感染症の拡大を収束(終息)させることが、肝要である。もちろん、消費税率ゼロ%への引き下げ(物価水準の引き下げ)も役立つ。

その前提として、新型コロナ感染症対策本部、同専門家会議は国民に対して謝罪したうえ、解散し、新たに編成すべきだろう。猶予はない。

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