「小池現職候補圧勝」はステマ(誘導)情報−都民は反小池候補に投票集中を

7月5日投開票の東京都知事戦で「小池現職圧勝」の「ステルスマーケテイング(ステマ)情報」が流されているが、これは転じて「誘導情報」の意味だ。メディアも同じような「選挙情勢」を流し、投票率を下げるように誘導する。小池都知事の実績はほとんどゼロで、学歴詐称疑惑もかえって深まっている。このことからすれば、小池都政に疑問を抱き、反小池陣営に投票するのは当然だ。東京都の有権者は選挙情勢を正しく把握し、反小池候補のコロナ禍対策、オリンピック対策を見極めた上で、投票を有力反小池候補に一本化すべきだ。できるだけ、7月5日の投票日に投票するのが望ましい。

河井克行前法相衆議院議員・河井案里参院議員夫妻の逮捕で自民党では党内政局が活発化している。ブラジルで新型コロナウイルス感染確認者が急増しているのは、南半球が冬に入ったことも影響していると見られる。東京オリンピックも開催中止に追い込まれる可能性が極めて高い。このため、安倍晋三首相が秋までには解散・総選挙に打って出る可能性が高い。または、8月下旬に生前の佐藤栄作首相が持つ連続しての在職在任最長期間を更新するのを花道にして退陣、自民党が執行部を一新して新首相を選び、解散・総選挙に打って出る可能性も高い。

ただ、朝日デジタルが2020年6月22日15時27分に投稿した「東京都内の新たな感染者、29人確認 5日連続20人超」と題する記事によると、「東京都で22日、新型コロナウイルスの感染者29人が新たに確認されたことが関係者への取材でわかった」。1日あたりの感染確認者は5日連続で20人を上回っているが、30人を上回る日も少なくない。東京都は小康状態を保っているとは言い難い状況であり、全国への移動自粛がほぼ解除されていることから、全国の感染確認者も22日は43人増と気になる数字ではある。

また、今年第3・四半期の国内総生産(GDP)統計は第一次速報値が8月18日、その後に発表される法人企業統計をもとに設備投資を修正することが柱になる第二次速報値は9月8日に発表になる。コロナ禍により自粛が中心となり、経済が大幅に悪化したのは第2四半期で、実質GDP伸び率の年率換算値はマイナス20%程度と予測されている。コロナ禍による深刻な経済的被害はなお続いているから、過去の統計と言って片付けるには無理がある。

こうした中で、現職候補の小池都知事は「自粛」から「自衛」へとコロナ禍対策を切り替えた。新自由主義の持論である自己責任原則を持ち出して、「新型コロナウイルス感染防止は自分で責任を持て」ということだ。背景には都知事選対策としてコロナ禍対策が成功しているかのように見せつけるため原則的に自粛の撤廃に踏み切ったことと、財政調整基金が枯渇し、小池現職候補の頭の中には都民に「自粛要請」に対処するための「協力金」を振る舞う余裕がなくなったためだ。

今回の都知事選の最大の争点はコロナ禍対策とオリンピック延期開催の是非だ。現在の状況から判断すれば、強力なコロナ禍対策を打ち出さなければならないことは明らかだ。また、規模を縮小して開催するというのは、3月下旬の本来と同じ規模で開催するという国債オリンピック委員会(IOC)、日本のオリンピック組織委、東京都、安倍政権の「公約」違反だが、それでも全世界での新型コロナウイルス拡大のため、延期開催は不可能だろう。延期にかかる費用も膨大なものになることは確実で、コロナ禍対策に充てるべきである。

時事ドットコ(https://www.jiji.com/jc/article?k=2020062000341&g=pol&p=20200620ax02S&rel=pv)より。

心に手をあてて小池都政を振り返れば、小池現職候補圧勝というのは理解に苦しむ。例えば、日経新聞は2020年6時21日20時00分に「小池氏大きくリード 情勢調査、コロナ対策評価6割」と題する記事を投稿し、「7月5日投開票の東京都知事選について、日本経済新聞社は19~21日に電話調査を実施し、情勢を探った。現職の小池百合子氏(67)が大きくリードしている。元日本弁護士連合会会長の宇都宮健児氏(73)やれいわ新選組代表の山本太郎氏(45)らが追う展開となっている。(中略)立憲民主、共産、社民の各党の支援を受ける宇都宮氏は、野党支持層の3割を固めた。山本氏は野党支持層から支持を受けている」と報道した。

ただし、「調査は日経リサーチが無作為に選んだ固定番号に電話して実施。都内の有権者がいる789世帯から474件の回答を得た。回答率は60.1%」という。無作為抽出といっても、789世帯への調査というのはどうみてもサンプル数が少なくないのではないか。また、聞き返し話法を使い、「小池候補を考えている」との回答が出れば、「小池候補に投票」に分類する誘導手法も取っている。結論は、「小池候補大きくリード」と最初から決まっている。

また、政経アナリストの植草一秀氏のメールマガジンの第2663号「小池氏優勢のステマ情報に騙されるな」によると、2010年9月14日に実施された民主党代表選に関して「日本経済新聞元経済部長でテレビ東京副社長の池内正人氏は、インターネット上のサイト『あらたにす』に、次のように記述した。『大新聞が得意の世論調査をやればいい』『これが国政選挙の場合だったら、この種の世論調査は不可能だ。選挙法に触れるかもしれない。しかし一政党内の選挙ならば、規制する法律はないと思う』」とのことだ。

また、政府の広報宣伝紙と見られる産経新聞社が過去の世論調査を捜査していることが明らかになっている。朝日デジタルが2020年6月20日5時00分に「FNN世論調査で不正 フジ・産経、再委託先が架空回答 14回分・回答の17%」によると、「フジテレビと産経新聞社は19日、FNN(フジ系28局によるニュースネットワーク)と同新聞社が合同で行う世論調査で、実際には電話をしていない架空の回答が含まれる不正が見つかったと発表した。不正は2019年5月から20年5月までの世論調査計14回で見つかり、両社はこの世論調査結果に基づく放送と記事を全て取り消した。記録などから、不正は総調査件数の約17%を占めるという」。

産経、読売、日経が代表格だが、大手マスコミや地方紙に記事を配信する共同、時事などの通信社は世論調査を駆使して、国民を情報操作しているわけだ。これに最近では、YoutubeやSNSなどで、ステマ情報(誘導詐欺情報)が流されている。これは、大手マスコミに務める記者を始め、日本国内の全有権者25%程度が利権死守のため必ず投票に行く自公支持勢力であり、残りの75%は反安倍政権という経験則があるため、「結果」をあらかじめ伝え、投票率をできる限り低下させるためだ。それによって、投票率が低下するから、自公勢力が極めて優位にたち、結果として報道の内容が現実のものになってしまう。

小池現職候補の「実績」を考えれば、東京でも同様の傾向を有すると考えられる。ここはやはり、東京都の有権者は、「野党共闘」による統一候補の宇都宮健児候補と現代貨幣理論(MMT)を視野に置いて反緊縮・積極財政路線を柱にした時代の転換点となる政策を打ち出したれいわ新選組の山本太郎候補のいずれかの候補に投票先を一本化するべきだろう。その意味では、投票は期日前投票ではなく、投票日に行うのが好ましい。

なお、国民民主党の前原誠司元外相と日本維新の馬場伸幸幹事長が6月16日、国民、立憲、維新の国会議員40人で「新しい国のかたち(分権2.0)協議会」を立ち上げた。これらの国会議員は新自由主義の立場である。米国から指示を受けたか、忖度したかのいずれかであろうが、新自由主義の「二大政党制」を築くのが狙いだろう。場合によっては、今の政府=安倍政権もしくはその代替政権を強化して、憲法に「緊急事態条項」を盛り込み、事実上の独裁体制を築くことに狙いがあることも考えられる。

これらのことを総合的に考慮すれば、両候補の得票数の合計が小池知事の得票数を超える見込みがないとすれば、れいわの山本候補に投票することが、「野党共闘」を「政策連合」に抜本転換し、近い将来の解散・総選挙で政権を奪還、国政の安定と経済社会の活性化、日本の民主主義を守るために有利に働くだろう。

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