コロナ禍の不安が高まりつつある一方、河井克行前法相、河井案里参院議員逮捕で本丸が「自民党本部」になっている現在、今年後半は日本崩壊か日本再生かの重大な岐路に立つことになる。日本国民の有権者一人ひとりが、政策を判断して東京都知事選や衆院解散・総選挙に臨まなければ、最悪の事態になる。

朝日デジタルが2020年6月28日00時05分に投稿した「全国で新たに92人が感染 東京では宣言解除後で最多」の記事によると、「新型コロナウイルスの国内の感染者は27日、午後9時時点で新たに92人が確認された。東京都が57人で、5月25日の緊急事態宣言解除後では1日あたり最多となった」。54人だった26日の翌日の27日の東京都の感染確認者57人のうち、「接待を伴う飲食店従業員ら『夜の街』関連は17人という。年代別では20代が27人と最多だった。今月24日以降、1日あたりの感染者が50人前後の日が続いている。27日の感染確認者のうち現時点で感染経路が不明な人は36人だが、小池百合子率いる東京都庁は1週間での平均値は平均で50%を下回っていると強弁、「急激に市中感染が広がっているとは考えていない」と言い訳に終止している。

東京新聞Webより(https://www.tokyo-np.co.jp/article/38128)

東京都知事選さなかであるが、ステルス選挙活動しか行っていない小池現職知事はやっと出てきたYoutubeでの公開討論会で、新宿区歌舞伎町を中心に「(夜の)接待を伴う飲食店の事業者が都と区の勧めに従って、従業員らが積極的にPCR検査を受けているため」とひと回り遅れた弁明に終始している。しかし、27日に確認された感染確認者のうち、感染経路が不明な人は36人に上る。「東京アラート」制度は東京都選挙のために廃止されたが、①新規陽性者数が20人より多い②新規陽性者における接触不明率が50%より多い③週単位の陽性者数の増加が認められた場合−のいずれかの事態に相当すれば、「アラート」は発出されるはずだった。

それに、小池現職都知事は、「PCR検査を積極的に受けてくれたことによる」としているが、東京都を始め日本全国でのPCR検査は徹底的に政府=安倍政権、東京都など地方自治体の保健所によって抑制されてきたから、彼女が漏らした「正論」によると東京都をはじめ日本全国の感染者はもっと多いはずだ。

こうした事態に、毎日新聞や東京新聞など大手マスコミやサンケイ・スポーツなどスポーツ紙は厳しく批判している。本来なら、東京都記者クラブ主催で、小池現職候補、れいわの山本太郎候補、立憲・日本共産党・社民党などの推薦を受ける宇都宮健児候補、日本維新の会の推薦を受ける小野泰輔候補の4氏の公開討論会をテレビで開くべきだが、テレビでの公開討論会は6月18日の告示後、いまだに開かれていない。Youtubeなどネットの世界では、既得権益を守るため小池現職都知事候補と都の記者クラブがテレビによる公開討論会から逃げ回っているとの情報が発信されている。

テレビの場合、1%の視聴率で100万人が視聴すると言われている。都知事選主要立候補者のテレビでの公開討論会が開催されれば、視聴率が10%にはなるだろう。NHKでも夜の時間帯に放映すれば、東京都の有権者にとっては、投票候補者の判断・決定に十分役立つはずだ。それをしないのは、小池現職都知事候補と東京都の記者クラブが既得権益を守るため、結託しているとしかいいようがない。

なお、宇都宮候補の選挙演説は日本共産党が選挙運動の主要部隊であることから、同党のYoutubeのチャンネルで配信されているが、1回の動画が視聴者が4000人から5000人と非常に少ない。一方、山本候補のYoutubeで配信されている選挙演説の動画は1回につき2万人から10万人が視聴している(同じ視聴者が同じ動画を2度見ることはあまりないと思われる)。だから、毎日新聞などのサイトの選挙情勢では、サンプル数が1000人以下と極めて少なく、投票率を低下させる狙いがあるとしか思われないが、記述では「小池現職候補が大きくリード、山本候補、宇都宮候補、小野候補が追う展開」となっている。

各候補は独自の選挙情勢調査を行っていると思われるが、それに基づいて最後の1周間の選挙運動を行うべきだ。なお、山本候補が「野党共闘」に反して都知事選に立候補したことについて、いまだに批判が多い。山本候補は宇都宮候補を高く評価しているが、それでも立候補したのは、①宇都宮候補の都の各種積み立て基金の取り崩しと歳出の振替論では財源に限界があり、最適なコロナ禍対策を打てない②現代貨幣理論(MMT)を背景にした反緊縮・積極財政論を視野に置いており、解散・総選挙への布石も考慮している−の2点にある。これについては、山本候補の次のYoutubeの動画を視聴されたい。

さて、河井克行前法相容疑者と河井案里参院議員容疑者の逮捕に伴い、広島県政界は大混乱に陥っている。その中から、市町村の首長、議会議員の一部から買収資金が安倍晋三総裁や二階俊博幹事長からのものだとの証言が出ている。本丸は本サイトでもしばしば指摘してきたように、「自民党本部の中枢(安倍総裁と二階幹事長)」だろう。二階幹事長も「公認会計士が不正に使われないよう厳重にチェックしている」という言い方から「どのように使っても良いと言っていたわけではない」と軌道修正している。

このため、安倍首相(総裁)の立場は極めて不利になっている。石破茂元幹事長が、「政党助成金や自民党員が集めた献金が原資になっているのなら重大な問題」と言い始めたり、河野太郎防衛相が「イージス・アショア」配備の撤回を安倍首相に談判して認めさせるなど、安倍首相の求心力は大幅に低下している。新型インフル特措法に基づいて設置された政府対策本部で実務上の責任者である西村康稔経済再生相が、自公両党内の根回しなしに記者会見で唐突に「専門家会議」の廃止を述べる一方、その経過と今後の対応が極めて不確かになっており、コロナ禍対策でも国民や識者の間に不安感が強まっている。新型コロナウイルス感染症拡大防止策はそっちのけにして、ともかく経済活動最優先に転じたと見られている。

27日の土曜日に行われた自民党支持の日本医師会の会長選挙も大接戦の末、191票対174票で、中川俊男副会長(69)が、安倍首相に近い5期目をめざした現会長の横倉義武氏(74)を破って初当選した。安倍首相の基盤はますます脆弱になった。

東京都文京区湯島にある全労連会館(Wikipedia)より

自民党・公明党内ではこうした動きに、反発・警戒する声が広がっており、党内政局を演じた後、通常の臨時国会は開かず、時の首相が臨時国家招集冒頭で解散・総選挙を表明するとの見方が広がっている。いわゆる「野党」と称される立憲民主党と国民民主党、連合が26日トップ会談を開き、「共通政策」をまとめることで合意したのは、与党の解散・総選挙対策に対応するためだ。

しかし、朝日デジタルが2020年6月27日5時00分に投稿した「立憲・国民・連合トップが会談 次の衆院選へ共通政策」と題する投稿記事によると、
============================================================
(立憲・国民両党)合流見送りの判断を下した玉木氏も当時の姿勢を変えていない。周辺には『旧民主党政権のメンバーが力を持つ状態で看板だけ掛け替えてもダメだ』と話し、合流には人事の刷新が欠かせないとの認識を示す。国民内には、立憲との合流よりも『ポスト安倍』の自民党との連携をめざすべきだとの意見も出ている。

立憲内には『党名以外、人事などは譲ってもいい』(衆院中堅)と、歩み寄りの必要を指摘する声もあるが、玉木氏らの真意をいぶかる議員も多い。立憲幹部は『今度、合流協議が失敗したら枝野さんの責任問題になる』と懸念を語る
============================================================
とある。

日本労働組合総連合(連合)は自民党支持の組織であり、緊縮財政・消費税増税路線を掲げる御用組合である。また、連合傘下の連合東京は、事実上の自公公認候補である小池現職都知事の支援に回っている。こうした自民支持の連合に頼る立憲・国民では、労働者(勤労者)の4割を占める非正規労働者を中心に信頼を得られない。また、日本共産党の志位和夫委員長は参加できておらず、同党も社民党も利用された挙げ句、捨てられる運命だ。理念なき「野合共闘」では国政を改めることはできない。

下図は、現代貨幣理論(MMT)=究極の結論は政府と中央銀行を合わせた統合政府が通貨発行権を持つ国では自国通貨建ての国債を発行しても財政破綻に陥ることはあり得ない。30年の長期デフレを経験中の日本こそ、MMTの正しさを実証しているというグラフである。ただし、実証はしていても、財政緊縮・財政均衡路線(税収の範囲内で一般歳出のうち国債費を除く政策経費を均衡化するというプライマリー・バランス論)は長期にわたって継続しており、デフレ不況スパイラルが起きる根本的な原因になっている。

現代貨幣理論の正しさを実証しているグラフ

通常の正統派経済学(物々交換が前提の新古典派経済学=新自由主義=弱肉強食主義)では、国債の累積発行規模が多くなれば、国債の金利(長期金利)は上昇するというのが定説になっているが、日本ではそうなっていない。真逆になっている。

その理由を説明するのが、現代貨幣理論(MMT)だ。MMTは世界が大恐慌(1929年以降)にあえいだ100年前に、物々交換論に由来する「商品貨幣論」を覆したアルフレッド・イネスの「信用貨幣論」に影響を受けた英国のジョン・メイナード・ケインズが著した「貨幣論」(1930年)を受けて1936年に発表した「雇用・利子および貨幣の一般理論」の主張である「完全雇用の達成のためには政府が国債を発行して実需を喚起する積極的な財政政策を行わなければならない」というケインズ理論を、インフレ率を考慮することを強調して正統的に発展させたものだ。MMTをもとに、日本では自民党の国会議員や野党の国会議員からも、コロナ禍で加速した大規模なデフレ不況を克服する経済政策(緊縮から反緊縮=積極財政への大転換)が提言されている。

確かな野党議員たらんとする国会議員としては、れいわ新選組を中心に、共生主義を理念に、①消費税率の5%への引き下げから廃止②貨幣論が現実離れしている新古典派経済学から導き出された新自由主義・緊縮財政・消費税増税路線に対抗できる、現代貨幣理論(MMT、ジョン・メイナード・ケインズの貨幣理論をもとにケインズ経済学を正統に継承・発展させた、実務を前提とした経済理論で今後のさらなる深化が期待されている)に基づく積極財政へ路線への大胆な転換−を主要政策として、「政策連合」を形成すべき時だ。日本・東京都の有権者も、スキャンダルを批判して投票を行うのではなく、候補者の実績と政策に基づいて投票行動を展開すべきときである。

おすすめの記事