経済情勢悪化にGo To トラベルは愚策、緊急事態宣言再発出を視野にただちに中止をー新型ワクチンにも要注意

今月12月1日夕の菅義偉首相と小池百合子都知事が官邸で20分程度の「会談」を行ったが、持病のある国民と高齢層がGo To トラベルの利用の「自粛」を要請することにとどまった。茶番劇としか言いようがない。Go To 政策が経済を好転させる効果は極めてマイナーだ。加えて、無症状感染者がスプレッダー(感染拡大の震源)になることを主因に、人と人との濃厚接触は新型コロナの感染拡大に直結する。政府=菅政権は「経済の悪化と感染拡大」の両立を目指していると言われても仕方がない。

12月3日木曜日コロナ感染状況

本日12月3日木曜日の新型コロナ感染状況は、東京都では午後15時の速報値で新規感染確認者は、1週間前の26日木曜日の481人より52人多い19日と並ぶ過去最多の533人、東京都基準の重症者は5は前日比5人減の54人だった(https://www.fnn.jp/articles/-/61484)。東京都のモニタリングhttps://stopcovid19.metro.tokyo.lg.jp/)では、7日移動平均での感染者数は466.4人、PCR検査人数は6336.9人だから、陽性率は7.36%。東京都独自の計算方式でも6.5%。感染者のうち感染経路不明率は55.94%だった。ステージ3/4の陽性率は10%。
全国(https://www3.nhk.or.jp/news/special/coronavirus/data/?utm_int=special_contents_list-items_045)では、午後23時59分の段階て2518人の新規感染と36人の死亡者が確認されている。死亡者数がこのところ増加傾向にある。
東洋経済ONLINE(https://toyokeizai.net/sp/visual/tko/covid19/)では、11月24日時点の実効再生産数は全国が前日比0.03人増加して1.07人、東京都では前日比0.05人装花の1.08人となっている。

2兆円の予算(税金が原資)をかけて宿泊費や食事代を割り引くGo To トラベル/イート「政策」は、2020年7月22日(水)から2021年1月31日(日)までの予定で始まった。当初はコロナ感染が収束してからということだったが、夏の第ニ波の最中と言っても良い頃にに開始された。Wikipedia(https://ja.wikipedia.org/wiki/Go_To_%E3%82%AD%E3%83%A3%E3%83%B3%E3%83%9A%E3%83%BC%E3%83%B3#cite_note-:0-17)によると、第一生命研究所の試算では「Go To キャンペーン」(Go To 商店街を除くトラベル・イート・イベント)の経済効果を、2.10兆円~2.80兆円程度としている。しかし、これは試算が正しくても国内総生産(GDP、付加価値の総額)を多少増加させるにとどまるものと見られ、2兆円もの巨額の税収を得られるわけではない。

しかも、「Go To 政策」で利益を得ることのできるのは、高所得者相と一流のホテル・旅館に限られているという問題がある。コロナ禍で苦しむ低所得層は旅行どころではなく、インターネットを利用した予約システムを持たない地域の小規模ホテル・旅館に対する恩恵は限られる、極めて不公平な「政策」である。

「感染拡大の防止と経済活動の両立」が大義名分だったが、無症状感染者がスプレッダー(感染拡大の震源)になることを主因に、人と人との濃厚接触が新型コロナの感染拡大に直結することは今や、日本国民どころか全世界の人々の共通認識になっている。「経済の悪化と感染拡大」の両立という形に終わることは目に見えていた。感染症の専門家の間では、冬にコロナの第三波が到来することはほとんど確実視されていたから、2兆円もの巨額の財源は、早急にPCR検査の本格的拡充や経営不振に陥っている医療機関の損失補填など医療体制の整備・強化に使うべきだった。

12月1日は財務省から今年第3四半期の法人企業統計、総務省から労働力調査が発表された日でもある。いずれも、経済情勢の悪化を示している。最初に、法人企業統計を見てみる(https://www.mof.go.jp/pri/reference/ssc/results/2020.7-9.pdf)。

財務省・法人企業統計その1

財務省・法人企業統計その1

財務省・法人企業統計その2

財務省・法人企業統計その2

財務省・法人企業統計その3

財務省・法人企業統計その3

これを見てみると、前年同期比で見た金融・保険業を除く全産業では売上高、経常利益、設備投資のすべてで、遅くとも令和元年度第3・四半期以降ふるわなくなっていたところ、春にコロナ第一波に襲われ今年の令和2年第2四半期以降売上高、経常利益、設備投資額すべてでほぼ2ケタ台の減少幅になっている。企業の目標は経常利益(営業利益と営業外利益の合計)を拡大することにあるから、このうち経常利益を見ると、今年第3・四半期は前年同期比28.4%減の12兆3984億円と厳しい。落ち込み幅は第2・四半期の同46.9%よりは少なくなっているが、これは改正インフル特措法に基づく緊急事態宣言を5月に解除したことの表れだ。同宣言の解除後も改善(マイナス幅の減少)は鈍いままだ。

このうち、Go To トラベル/イートの「効果」が含まれる非製造業のサービス業の経常利益は、前年同月比54.7%減の7921億円で、前期の第2・四半期の53.7%減とさらに悪化している。売上高もサービス業は前年同期比23.0%減少の28兆6102億円で、前期の落ち込み幅31.8%より多少回復しているものの、非製造業全体の前年同期比10.8%減少を大幅に上回るマイナス幅だ。設備投資額も前年同期比22.8%減の8779億円と被製造業全体の10.8%減より落ち込み幅ははるかに大きい。

Go To トラベル/イートが産業・経済を底上げないし下支えしているなどとはとても言えない。自民党の二階俊博幹事長は全国旅行業協会(ANTA)の会長になっているが、Go To トラベル/イート政策は、大手ホテルや旅館、観光業から二階幹事長に献金する仕組みであったとのインターネット上の指摘も存在する(参照サイト:https://news.yahoo.co.jp/articles/a4120e5b3bdc6be47183d25fd9d530ae3e04c731。下図はhttps://www.travelnews.co.jp/news/kankou/2020101509030516697.htmlより)。

その一方で、Go To トラベル開始と同時に全国での新型コロナ感染者が拡大した。政府=菅政権はGo To トラベルと感染拡大には因果関係を明らかにするエビデンス(証拠)がないことを強調してそしらぬふりをしているが、新型コロナの場合、感染から発症まで2週間から4週間かかり、因果関係を示すエビデンスは見出しにくい。かつ、Go To トラベル政策を利用した国民も少なくない。しかしながら、観光の名所である北海道・札幌市などでは全国に先駆けて冬入りするうえ、厚生労働省が定めたコロナ感染ステージの3段階から4段階に到達している。エビデンスの存在を云々している場合ではなく、早期に札幌市を発着するGo To トラベルは中止するべきだった。

また、東京都では仲が悪いとされる小池百合子都知事と菅首相が茶番劇を演じた。そもそも、持病のある国民や高齢者は普通なら、旅行など控えていたところだ。「自粛を要請した」としてもその効果は限定的だ。そもそも、政府は新型コロナウイルス感染症を第Ⅱ類相当指定感染症(強力な行政措置を要する区分。重症急性呼吸器症候群=SARSが含まれており、新型コロナウイルスはその亜種)に政令指定している。危険な第Ⅱ塁相当の指定感染症に政令指定しておきながら、無症状感染者がスプレッダーになることへの対策(大規模PCR検査の徹底的な実施)は行わず、全国各地への移動を促進するというのでは、完全に矛盾する。

コロナ感染症分科会から政府への提言

コロナ感染症分科会から政府への提言

上に示したように、Go To トラベルの経済効果は1万歩譲ってあったと仮定したとしても、その効果は限定的だ。「感染拡大阻止と経済活動の両立」という考え方そのものがおかしい。十分な休業補償措置を盛り込んで徹底的なコロナ禍対策を行うことこそが、現時点では最大の経済対策ではないか。

成長戦略会議の民間議員に抜擢されている竹中平蔵パソナ会長は、自らが推進したプライマリー・バランス論と財政再建原理主義に基づく緊縮財政政策は「誤りだった」と述べ、現代貨幣理論(MMT)に基づく積極財政は正しい旨の発言を行い、「100兆円規模の国債の発行は可能」とした。そういうことを言うのなら、日本経済を20年以上の長期デフレ不況に陥れ、国民の財産を外資に売り飛ばしたことや、日本の経済社会が大格差社会になったことの責任を取り、民間議員を自ら辞職する一方で、政府は100兆円規模の国債を発行し、「経世済民」のために使うべきだ。もっとも、「成長戦略会議」は、実態としてはさらなる利権を追い求めていくだろうから、期待しても無理なことはサイト管理者(筆者)も承知している。論理的帰結を述べたものだ。

さて、12月1日には今年第3・四半期の法人企業統計とともに、総務省より10月の労働力調査が発表された(https://www.stat.go.jp/data/roudou/sokuhou/tsuki/index.html)。

10月の労働力調査

10月の労働力調査

それによると、就業者数は10年10カ月ぶりの減少幅であり、これに対応して完全失業者数は前月から51万人も増加して215万人になった。季節調整率で見た完全失業率は月ごとに上昇しており、2カ月ぶりの悪化になる3.1%だった。法人企業統計で見たように、企業の経常利益は厳しいが、第三波の本格化で雇用情勢も一段と厳しくなることが予想される。やはり、大規模なコロナ禍対策を打ち出す必要がある。

なお、英国政府がファイザー開発の新型コロナワクチン承認を承認したとの報道がなされた(https://www3.nhk.or.jp/news/html/20201202/k10012742361000.html)。異例の速さであるが、これは同国政府がコロナ禍対策にワクチン接種以外は打つ手なしと判断したことのあらわれだろう。しかし、安全性と有効性が確認されたとは言い難いところがいる。以下、NHKの報道を一部引用させて頂く。下図はWikipediaより。

ファイザー社のロゴ

ファイザー社のロゴ

米国の大手製薬会社・ファイザー社

米国の大手製薬会社・ファイザー社

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専門家「異例のスピード承認 リスクより危機対応優先の判断か」
イギリス政府がアメリカの製薬大手ファイザーが開発した新型コロナウイルスのワクチンが承認されたと発表したことについて、ワクチン開発に詳しい北里大学の中山哲夫特任教授は「開発にかかった期間、申請から承認されるまでの期間ともに、これまでにない異例のスピードになっている。イギリスを含むヨーロッパでの極めて深刻な感染状況を反映しているもので、長期的な副反応のリスクよりも差し迫っている危機に対応することを優先した判断だと考えられる」と述べました。

その上で「イギリスで承認されたから、日本でもそのまま承認するということにはならないと思う。有効性に関してどのような根拠をもとに判断しているのか、情報がさらに必要だし、投与から時間がたったあとの有効性や安全性についても検証する必要がある。日本国内でも行われる臨床試験の結果や、先行して広く投与が行われるとみられるイギリスの状況も参考にしながら慎重に判断を行うべきだ」と指摘しています。
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米国のファイザー社が開発したという新型コロナワクチンは原則、零下70度程度の超低音状態で保管する必要がある。区市町村任せで接種実施体制を構築しなければならないが、こうしたことを考慮すると、厚労省はマニュアルを作成するだけで、実際の接種体制の整備は区市町村任せだから、コロナ禍に対する負担が増加している中、負担がより重くなることは避けられない。新型のワクチンに重大な問題があったとすれば、なおさらである。

厚生労働省では同意を得た1万人規模の医療従事者に対して接種し経過観察を行い、安全性の確認を行うことにしている。しかし、通常の第3相の治験では数万人規模で接種が行われ、2〜3年かけて安全性と有効性を確認することになっている。コロナ拡大防止に自分を犠牲にして業務をされている医療従事者には言う言葉もない。その前に、菅首相以下官邸幹部、厚労省や文部科学省の幹部から受けてはどうか。なお、次の投稿記事も参考にしていただきたい。

サイト管理者(筆者)は、ワクチンの有効性について全て否定するものではないが、新型コロナ用ワクチンは開発から承認に至るまでのスピードがあまりにも早すぎる。また、mRNA型というワクチンとしては初めてのタイプで、安全性と有効性について、徹底して確認を行う必要がある。また、昨日成立した改正予防接種法では、巨大メガファーマ(大手製薬会社)に対する免責条項と健康被害が発生した場合は自己責任でワクチン接種被害の証明を行い、政府=菅政権に申告しなければならない。自己申告の手続きも不明だ。

子宮頸がんワクチン接種で健康被害に遭われながらも、救済措置を受けていない本人、家族の方も相当数存在する。健康被害を受けたワクチン接種患者の自己申告を政府=菅政権が認めるとも限らない。あくまでも、接種は「努力義務」ということだから、日本では国民ひとりひとりが長期的な安全性と有効性についての情報を入手し、主治医と相談して、決定する必要がある。